『新 絵心教室』
5. “Art for everyone.”
- 岩田
- ジェイソンさん、寺崎さんのように
まったく絵を描くことに興味のなかった人が
これほどまでになる、ということが目の前で起こると、
すごく面白いでしょうね。 - ジェイソン
- そうですね。
でも、寺崎さんは興味がなかったのではなくて、
絵が描けないと思い込んでいたんだと思うんです。
まったく絵に興味がなかったら、
商品自体を取り上げてもらえなかったでしょうし。 - 岩田
- たしかにそうですね。
リンゴが最初に描けなかったら、
『絵心教室』は出ていなかったのかもしれないんですよね。
“青リンゴが変えた、寺崎さんの人生”ですね。 - 寺崎
- はい(笑)。
- 岩田
- そもそも子どもの頃って、
何も言われなくても、
誰もが、進んで絵を描くじゃないですか。 - 寺崎
- わたしは子どもの頃から嫌いでしたが・・・(苦笑)。
- 岩田
- でも、「自分は絵が得意じゃないな」とか
「自分には向いていない」と思うようになって、
絵を描くことをやめてしまう人も少なくないんですけど、
このような商品に出会うことによって
変わる人もいるわけですよね。 - ジェイソン
- 実際、この商品を手にすることで、
これまで絵が描けないと思い込んでいた人たちが、
目に見えて、絵を描くことにのめり込んでいき、
しかもどんどん上達していくケースを
たくさん見聞きすることができて、
それは自分でも素晴らしい経験でした。 - 岩田
- 今回の『新 絵心教室』で、
さらにそういうことが起こるといいですよね。 - ジェイソン
- そうですね。
- 岩田
- では最後に、みなさんから
お客さんにお伝えしたいことを、
ひとことずつお願いします。 - 一条
- 最初に言いましたように、
このプロジェクトには途中から参加したんですけど、
いい絵が描けたときに、思わず「見て見て」と
隣に座ってる宮地さんとかに、
見せびらかしていたんです。
- 岩田
- 気がついたら、まさに寺崎さんと
同じようなことをしていたんですね。 - 一条
- そうなんです。しかも今回は、
隣にいる人だけじゃなく、
遠くの離れたところにいる人にも、自慢の作品を
見せびらかすことができる機能が入っていますので、
ぜひそれをどんどん活用して
楽しんでいただきたいと思っています。 - 岩田
- 今回は『いつの間に交換日記』(※10)でも、
自分の描いた絵をやりとりできるんですよね。 - 一条
- そうです。なので、見せびらかす機会が
今回はたっぷりあります(笑)。
『いつの間に交換日記』=2011年12月より、配信がはじまったニンテンドー3DS用のコミュニケーションソフト。フレンド同士で手書きの「日記」をやりとりすることができる。
本ソフトは一部サービスを停止しております。くわしくはこちら
- 宮地
- わたしはいろんな人から絵を見せられる人、
みたいになっていますけど(笑)。 - 岩田
- 寺崎さんからも一条さんからも(笑)。
- 宮地
- でも、わたしもやっぱり“生徒B”なので、
もちろんうまく描けたときは、
まわりに見せびらかしたくなるんですけど、
「なんでこんな絵になったんだろう」みたいに
変な絵が描けたときも、
人に見せたくなっちゃうんです。
決してうまい絵とはいえないんですけど、
そういうときも、人に見せたりして
コミュニケーションツールとして、
このソフトが活躍してくれたらいいなと思っています。
それに、お客さんのアイデア次第で、
じつは結構いろんなことができるソフトなんです。
たとえば、自分で線画だけを描いて、
それを友達に送って、その人に塗って仕上げてもらう、
みたいに、リレーのようなこともできるんです。
- 岩田
- 絵の共作ができるんですね。
- 宮地
- そうです。そういう意味でも、
「人とのつながりを実感できるようなことが
このソフトで起きるといいな」と思っています。 - 岩田
- では、ジェイソンさん。
- ジェイソン
- 絵に自信がない方でも満足できるような
レッスンをつくるのに苦労した思い出がありますので・・・
わたしとしてはとにかく、レッスンを楽しんでほしいです。
でも、そのレッスンを終えたあとは
3DSカメラで、家族やかわいいペットとか
自分のお気に入りの写真を撮って、
それをもとにしながら絵に描いて、
まわりの人とどんどんシェアしてほしいですね。
このソフトの中だけにとどまらず、
外に飛び出すことで
より楽しい経験ができると思いますし。
- タンク
- ジェイソンさんがいいことを言いましたね。
そもそも、絵画にとっては、
実際に手を動かして絵を描くよりも、
何を描くかを選ぶほうが大切だと
感じることもあるんです。なので、
「自分が描きたいものを3DSカメラでどんどん撮ってほしい」
そう思います。 - 宮地
- 自分が描きたいものをとりあえず撮っておいて、
あとから描くこともできますしね。 - 一条
- 撮って、その場でササッと下絵を描いて、
保存して、あとから仕上げることもできます。 - 寺崎
- しかも、下絵は何枚でも保存OKです(笑)。
- タンク
- そもそも美術の世界というのは、
すごくハードルが高いんです。
なので、一般の人からすると、そこに入っていくのが
難しいように見られがちなんですけど、
じつは、“Art for everyone.”なんですよね。 - 岩田
- “芸術はみんなのためにある”ですね。
- タンク
- はい。ですから、
「たくさんの人に、この『新 絵心教室』が、
美術の世界への扉を開くための
キッカケになればいいな」と思っています。
そのためにも、絵画の先生だけでなく
お客さん自身が自分でレッスンをつくり、
それを友達に提供したり、交換しあうことで、
美術の世界がより身近になると思いますので、
たっぷり楽しんでいただきたいですね。
- 寺崎
- 僕からは・・・営業トークしようかな(笑)。
- 岩田
- はい(笑)。
- 寺崎
- 今回は通常の製品版とは別に、
機能がまったく同じ、ダウンロード版(※11)も
発売することになっています。
そのダウンロード版だと、
いつでも3DSの中に入っていますので・・・。
ダウンロード版=本作『新 絵心教室』は、2012年9月13日より、パッケージ版と同じ内容のものをダウンロードしてお楽しみいただけます。ダウンロード版の購入は、お店で「ダウンロードカード」やオンラインショップで「ダウンロード番号」を購入してニンテンドーeショップからソフトをダウンロードする方法と、ニンテンドーeショップで直接ソフトをダウンロード購入する方法があります。くわしくは、「ソフトのダウンロードについて」をご覧ください。
- 岩田
- 思い立ったら、すぐに絵が描けますね。
- 寺崎
- しかも、ササッと描いて、途中で保存して、
あとから続きを描くこともできますので、
たくさんの人にダウンロード版も
愛用してほしいと思います。
で、じつは最初の『絵心教室』を出してから
よく聞かれることがあるんです。
「このソフトを買ったら、絵が上手になりますか?」って。 - 岩田
- で、寺崎さんはどのように答えているんですか?
- 寺崎
- 「買っただけでは上手になりません!」
って答えています。 - 岩田
- ああー、たしかに! (笑)
- 寺崎
- でも、“好きこそ物の上手なれ”
ということわざがあるように、
このソフトでレッスンを受けているうちに
次第に絵を描くコツがわかってきて、
絵を描くこと自体がすごく楽しくなるんです。
- 岩田
- まるで寺崎さんのように、ですね(笑)。
- 寺崎
- はい(笑)。
なので、たくさん描いて
たくさんの絵をみんなに見せびらかしてほしいですね。 - 岩田
- はい。今回、集まっていただいた方々は、
もともとゲームで遊ぶのが大好きな人たちなんですよね。 - 宮地
- はい、大好きです。
- 岩田
- でも、みなさんのバックグラウンドをいうと、
アート系で、絵が描ける人もいれば、
まったく絵の描けない人が混ざりあっているんですよね。
そのような混成チームが、
これまでやってきたビデオゲームの世界とは
まったく違うジャンルのプロジェクトに関わり、
ある人は自分ではぜんぜん絵が描けないと思っていたのに
リンゴが描けるようになって感動し、
描いた絵を人に見せびらかす様を見た
絵の描ける人たちが、
リンゴよりももっといい絵が描けるようにと
「ああしたらどうだろう、こうしたらどうだろう」と
アイデアを出し合い、工夫を積み重ねて
この商品ができあがり、
その結果、なんと有名な美術館を動かすようなことも
起こったわけですね。 - 寺崎
- そうですね。
- 岩田
- そのように、この商品は
「じつに面白い運命で、できあがったんだなぁ」
と思いました。
だから、今度の『新 絵心教室』でも、
アートに目覚めていなかった人が目覚めるキッカケになって、
さっきタンクさんがおっしゃった
“Art for everyone.”が、
文字どおり実現する姿を見てみたいですね。 - タンク
- はい。
- 岩田
- これから、このソフトを通じて、
世界中のいろんな場所で、
たくさんの物語が生まれることを楽しみにしています。
今日はどうもありがとうございました。
- 一同
- ありがとうございました。