『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』
7. 「新しい発見を」
- 岩田
- ところで、青沼さん、
『ゼルダ』という大作ソフトのオリジナルを
わずか1年でつくるというのも、めったにないことですが、
そのリメイク版を、オリジナルの3倍近くの時間をかけて
つくるという話も、あまり聞いたことがありませんよね。 - 青沼
- ああ、すみません(笑)。
- 岩田
- それって、自慢していいんじゃないでしょうか(笑)。
- 青沼
- 自慢ですか・・・いや、それはちょっと・・・(笑)。
- 岩田
- でも、今日の話を訊いて
どうしてそんなに時間がかかったのか
よくわかったように思いました。 - 青沼
- リメイクとは言っても、新しい要素を
たくさん詰め込みましたからね。 - 岩田
- それでは最後に、みなさんから、
お客さんにアピールしておきたいところを
ひとことずつ言っていただこうと思うのですが、
佐野さんからいいですか? - 佐野
- わたしが最初ですか!(笑)
えーっと・・・そうですねぇ・・・。 - 岩田
- パスは1回だけ可です(笑)。
- 一同
- (笑)
- 佐野
- でも、このメンバーでパスをすると・・・。
- 岩田
- より苦しくなるかもしれませんね?(笑)
- 佐野
- そうですね・・・さっき言ったことと
かぶるところはあるんですけれど、
N64版を遊んで、途中で挫折してしまった人でも、
当時は見つけられなかった魅力のあるものが、
今回は確実に見つけられるつくりになっていますので、
もし強いトラウマが残っているのであれば・・・。 - 岩田
- 「トラウマの残っている人にこそ、おすすめです」と?
- 佐野
- そうですね、まさに!
そもそも、わたし自身が
トラウマが残っていたプレイヤーなので
今作ではそれがスッキリ解消されました。
なので、苦手意識が残っている方にこそ、
そういったものが解消される瞬間を、
ぜひ味わっていただきたいですね。
- 岩田
- 新しくなった『ムジュラの仮面 3D』で
スッキリしましょうと。 - 佐野
- はい。それから、初めて遊ぶ方のなかには、
「『ムジュラの仮面』って難しい」という噂を聞いて
迷っている方もいらっしゃるかと思います。
でも、今回は細部にいたるまで、親切な調整がされてるので、
初めての人でも怖がらずに、興味があったら
ぜひ触っていただきたいです。 - 青沼
- 頑張れば解けますよね、今回は!
- 佐野
- 頑張れば、ちゃんと最後まで遊べると思います。
- 岩田
- 「もちろん歯ごたえはありますけど、
頑張れば解けるようになってます」ということですね。 - 佐野
- はい。「自分ってすごい!」という、
あの感覚がちゃんと味わえると思います。 - 岩田
- では、山村さん。
- 山村
- N64版のお客さんにも絶対がっかりさせない、
本当に大満足の1本になっていると思います。
それに、今回新しくプレイする方にも、
“理不尽”に感じることはまったくなくなって、
本当に楽しめるものに仕上がっていますので、
新しい『ゼルダ』として、ぜひ遊んでいただきたいです。
もともと、N64版の『ムジュラの仮面』には
とてもたくさんのネタが仕込まれていたのですが、
今回はグレッゾさんがさらにネタを増量してくれまして・・・。 - 大岩
- それ、僕が言おうと思ってたんですけど(笑)。
- 山村
- あ、すみません!
- 青沼
- かぶっちゃいましたね(笑)。
- 一同
- (笑)
- 山村
- では、大岩さん、続きをお願いします。
- 大岩
- はい。山村さんが言ったように、
うちの開発スタッフが、新しいネタをいろいろ仕込みました。
ですから、N64版をじっくり遊んだ人でも、
「こんなのも入ってるの?」とビックリされるかと思います。
なので、Newニンテンドー3DSをお持ちの方(※30)は
Cスティックを使って探索しながら
いろんな発見をしてほしいですね。
Newニンテンドー3DSをお持ちの方=Newニンテンドー3DSをお持ちでなくても、「拡張スライドパッド」(別売り)を3DS本体に取り付けていただくことで、お楽しみいただけるようになります。
- 岩田
- 青沼さんが「Cスティックでカメラを回したい」
と言ったことが、探索に役立つんですね。 - 大岩
- はい。そもそも『ムジュラの仮面 3D』は
“3日間システム”ですので、
何度も繰り返して遊ぶようになっています。
1回目では気づかなかったことが、2回目で気づいたり、
さらに3回目、4回目を繰り返していると
どんどん新しい発見が生まれると思います。
そのように、噛めば噛むほど味が出てくるゲームですし、
ほかのゲームにはないシステムを、
存分に味わっていただけたらと思います。
- 岩田
- はい、ありがとうございます。
最後に青沼さん、お願いします。 - 青沼
- 僕はN64版の『ムジュラの仮面』をつくり終えたときに、
「これから似たようなタイトルが、
ほかの会社からも出てくるんだろうな・・・」
と思っていたんですけど、出なかったですよね。 - 岩田
- 見たことがないです。
- 青沼
- N64版の発売から15年も経っても、
『ムジュラの仮面』に似たものが出てきてないですし、
その意味で言うと、あの独特のテイストは
そこにずっとあり続けているような感覚がありまして・・・。 - 岩田
- 唯一無二の存在のような感じですか?
- 青沼
- そうですね。
ですから、いまの時代にもう一度遊んでみても
心が動かされたり、自分のなかに返ってくる新鮮な何かが
きっと見つかるように思うんです。
なので、ぜひ遊んでいただいて
『ムジュラの仮面 3D』でしか味わえない感動を
存分に味わってほしいなと思っています。 - 岩田
- ところで今日は、青沼さんの
思いもよらない懺悔の話もありましたが・・・。 - 青沼
- はい(笑)。
- 岩田
- でも、フタを開けて本当によかったですね。
- 青沼
- はい。本当にフタを開けてよかったです。
とても幸せな開発ができましたし、
おかげさまで、自分自身のトラウマも解けたように思います。 - 岩田
- プレイヤー代表の佐野さんのトラウマが解け、
開発者代表の青沼さんのトラウマも解けたんですね(笑)。 - 青沼
- はい。15年越しのトラウマが
ようやくスッキリ解消しました(笑)。
- 岩田
- わたしとしても、今回のリメイクで、
『ムジュラの仮面』の本当の魅力をわかってくれる人が
すごくたくさん増えるような感じがしています。
長期間の開発、お疲れさまでした。
- 一同
- ありがとうございました。