ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』
開発スタッフ 篇
6. “自分が変わる瞬間”
- 岩田
- では最後に、このソフトに関わったみなさんから、
ひとことずつお願いします。 - 伊藤
- 「鬼トレ」を継続できるよう、トレーニング以外にも
いろいろなお楽しみ要素を用意していますので、
なんとか毎日続けていただいて、
まずは3バック超えをめざしていただきたいと思います。
- 岩田
- そもそも、3バックをスッと超えていく人って、
あんまりいないような印象がありますね。 - 高橋
- そうですね。
- 岩田
- ですから、3バックを超えたときの快感というか、
自分が何かをつかんだような感じは、
いろんな人に味わってもらえると、うれしいですね。 - 高橋
- はい。第一目標は3バックです。
- 伊藤
- その3バックを達成したあとは、
きっとどこかでまた壁にぶつかってしまうんですけど、
その壁に向き合いながら、諦めずに続けていると、
いつかさらに高いところに行くことができて・・・。 - 岩田
- そういうことが、
開発中にいっぱい起こっていたんですよね。 - 伊藤
- そうなんです。
ですから、諦めずに続けていただきたいです。
個人的な意見ですが、
きっと、自分の中の何かが、
変わることを実感していただけると思いますので。 - 岩田
- では、北村さん。
- 北村
- これまでの『脳トレ』は、脳の老化防止とか、
脳の若返りといった効果を期待して制作していましたが
今回の『鬼トレ』は、脳自体のグレードアップが期待できるので
将来のある若い方たちにも積極的に使っていただいて、
自分の可能性を広げる助けになればいいなと思っています。 - 岩田
- 衰えを防止するものではなく、
自分のポテンシャルを高めることが期待できる、
ということなんですね。 - 北村
- そうですね。
えー・・・わたしが受験生だった頃、
いろんな神社にお参りに行って、
お守りを買いあさってくるくらい、
切羽詰まっていた時期があったんです。 - 岩田
- はい(笑)。
- 高橋
- あ、もしタイムマシンがあったら、
受験生の自分に『鬼トレ』を届けたいとか? - 北村
- そうです。あのときこれさえあればと、
開発中に何度も思いました。
夢を持っている人たちの
お役に立てればと思ってつくりましたので
若い人たちにこそ、手にとって、
毎日トレーニングしてもらえるとうれしいです。 - 岩田
- 川島先生は開発中も、
「勉強している若い人にもオススメ」ということを、
さかんにおっしゃっていましたからね。 - 北村
- はい。
- 岩田
- では、河本さん。
- 河本
- 今回はプロデューサーということで、
引いた視点で開発の様子を見ていましたので、
『バンブラ』(※9)で
ディレクターを担当したこともある北村さんの
どういう味が出ているのか、というのが
わりと楽しみだったんです。
- 岩田
- 「バーバラは出るのか」ということですか?(笑)
- 北村
- (笑)
『バンブラ』=『大合奏!バンドブラザーズ』。ニンテンドーDS用ソフトとして、第一弾は2004年12月に、第二弾の『大合奏!バンドブラザーズDX』は2008年6月発売された音楽ソフト。バーバラは同シリーズのメインキャラクターで、『えいご漬け』などにもゲスト出演している。
- 河本
- ええ、まぁ(笑)。このソフトには
「脳講座」や「脳ニュース」という、
教授が脳科学について説明するコーナーがあるんですけど、
その話の運びがすごく北村さんらしいというか、
バーバラマンガ、そのまんまで(笑)。 - 岩田
- バーバラは出ないけど、
バーバラマンガのテイストが入っているんですね。
北村さん、実際はどうなんですか? - 北村
- いや、あの・・・確かに
絵コンテはわたしが描きました。
でも、わたしが描いたまんまだと、
まったく信憑性のない、ギャグマンガになるんです。 - 岩田
- はい(笑)。
- 北村
- だから必ず絵コンテを伊藤さんに見せて、
編集してもらいました。
・・・でも、というか、やっぱり、
何回もダメ出しをもらいましたが(笑)。 - 伊藤
- えー、北村さんは先輩社員なんですけど・・・。
- 岩田
- 先輩でも容赦しなかったんですか?(笑)
- 伊藤
- はい。容赦なく何度もダメ出しさせていただきました。
- 河本
- でも、そのおかげで、とても役に立つ、
と同時に、味のあるものが入りましたので、
バーバラファンの方にも楽しんでほしいです。
どんな内容になったかは、
実際に製品でご覧いただければと思います。 - 岩田
- では最後に高橋さん、お願いします。
- 高橋
- 今回のソフトは
「つらい」とか「厳しい」だの、
さんざんなことを言われていますが・・・。 - 岩田
- 制作者がこんなにも「つらい」と連発する
ゲームのインタビューって、
あんまり聞いたことがないですね(笑)。 - 河本
- ふつうは「楽しい」とか「面白い」です(笑)。
- 高橋
- でも、今回のソフトは、
わかりやすい教授の説明が冒頭から入っていますし、
いろいろな方が受け入れやすいかたちに仕上げられたと思います。
続けていただくための工夫もしっかりと検討を重ねて、
今回の『鬼トレ』というかたちにすることができました。
なので、自分のワーキングメモリーを拡げるために、
このトレーニングを、楽しみながら
やっていただきたいと思っています。
- 岩田
- わたし自身も、今回は
決して扱うのがやさしいテーマではないんですけれど、
ポテンシャルがものすごくある、
とても面白いテーマを川島先生からいただいた
と思っていたんです。
娯楽として成立させるのが難しいトレーニングを
開発に関わったみなさんがしっかりエネルギーを注いで
1つの商品にしてくれた、という手ごたえを感じています。
お客さんにとって、きつくはありますけど、
きっと楽しみながら、自分や自分の周囲の変化を
感じていただけるんじゃないかと思います。
それは、脳年齢がスーッと下がっていくほどには
すぐにはやってくるものではありませんが、
いずれ自分の限界を超え、自分が変わった瞬間を
きっと味わっていただけると思っています。 - 高橋
- 『脳トレ』の脳年齢よりも、
今回の「何バックになった」のほうが
自分の中で“変わった感”がすごく強いと思います。 - 岩田
- そうですね。
“自分が変わる瞬間”や、その手ごたえを
たくさんの人たちに、ぜひ感じてほしいですね。
みなさん、どうもありがとうございました。
- 一同
- ありがとうございました。