『ニンテンドー3DS』ソフトメーカークリエーター 篇
第18回:『世界樹の迷宮IV 伝承の巨神』
6. “社長に訊く”
- 岩田
- では最後に、『世界樹の迷宮』シリーズを
まだ遊んだことがない方と、シリーズファンの方へ、
それぞれメッセージをお願いします。
まずは遊んだことのない方へ、小森さんからいいですか? - 小森
- はい。3DSをお持ちの方で、
「RPGを遊んでみたい」と思ったとき、
選択肢のひとつとして、ぜひ『世界樹の迷宮』を
視野に入れてもらえればと思います。
いままで「難しそう」と思って敬遠していた方も、
カジュアルモードで、より遊びやすくなっているので、
おそれずに楽しんでいただければと思います。 - 岩田
- 未体験の方に、
ひとことで『世界樹の迷宮』を説明するとしたら、
どうおっしゃいますか? - 小森
- そうですね・・・やっぱり、
“自分で冒険できるゲーム”ですね。
ゲームからの指示を極力減らして、
「自分の頭で状況をどう打破するか?」
を考えるゲームになっています。 - 岩田
- 自分で運命を切り開きながら冒険する、
ということに徹しているということですね。
では、金田さん。 - 金田
- 僕も今作の『IV』をひとことで言えば、
“冒険できるゲーム”です。
3DSを開いて知らない土地に飛び込んで、
自分でマップを描いていくことで、
未開の地を自分の知っている庭に変えていく・・・。
それこそが“冒険”だと思うんです。 - 岩田
- 3DSを開いたときだけスッと冒険に旅立って、
閉じたら現実世界に帰ってこられますね。 - 金田
- はい。通勤や少しの時間を使って
“もうひとつの世界”を楽しんでいただく・・・。
大人になってできなくなってしまった
“冒険”ができるゲームです。
3DSはいわば、世界が切り替わるスイッチで、
それが立体視の力を得て、没入感がより増したものになっています。
冒険を楽しむ気持ちがあれば、ぜひ手に取っていただきたいです。
4作目ですが、今作からでも安心して遊べますので。 - 岩田
- ではこれまでのお客さんに向けて、
今度は、金田さんからお願いします。 - 金田
- 『IV』では、キーコンセプトをより大切につくりました。
確かにカジュアルモードや、
絵や音などいろいろと変わったところはあります。
その一方で、根幹的な遊びはぜんぜん変わってなくて、
遊んでいただければ、
まぎれもない『世界樹の迷宮』であることを
感じていただけると思います。
むしろ、ファンの方に対して“挑戦状”も入れています。
- 岩田
- カジュアルモードを新設したことで、
逆に従来ファンの方へは、
よりチャレンジングなものになったんですね。 - 金田
- はい。テストプレイで
スタッフが60回やっても勝てない敵もいます(笑)。
シリーズファンの方をすごく大事に思っていますので、
安心して楽しんでいただければと思います。 - 岩田
- では、小森さん。
- 小森
- はい。先ほど、自分は金田に任せている、
と言いましたが、
じつは『III』を一緒に開発したスタッフが
ちょくちょく報告にきてくれて、
魅力は耳にしているので、発売がすごく楽しみです。
新しい『世界樹の迷宮』ができているのは間違いありませんので、
興味のある方はぜひ、僕と一緒に発売日に買いましょう! - 一同
- (笑)
- 岩田
- そのアピールは新しいですね(笑)。
- 小森
- はい、そうですね(笑)。
ところで・・・。最後にひとつだけ、
『世界樹の迷宮』シリーズのアートディレクターの横路から
質問を預かってきていまして、
お答えいただきたいのですがよろしいですか?(笑)
- 岩田
- はい、どうぞ。
- 小森
- じつは今日、
この場に『世界樹の迷宮』を呼んでもらえたことが、
不思議でしかたがないんです。
「いつの間に声をかけていただけるタイトルになったのでしょうか!?」
という内容です。 - 岩田
- 「どうして呼ばれたのか?」ということですか?
- 金田
- はい。ぜひうかがいたいんです。
- 岩田
- 何というか、これは“社長に訊く”ですね(笑)。
そうですね・・・
わたしは、『世界樹の迷宮』というタイトルは、
お客さんの熱量がとくに大きいと感じているんです。
その熱がシリーズを通してずっとつづいていて、
実際に、先日のニンテンドーダイレクト(※20)で
発表させていただいたあともすごく反響がありました。
だから、そもそもこの独特な立ち位置のゲームは
「どうやって生まれたんだろうか?」
「どんな人がつくったんだろうか?」
「コンセプトが揺るがないでいられるのは、どうしてなんだろうか?」
ということをわたしが知りたかったんです。 - 小森
- あ、そうだったんですね。
- 金田
- なるほど・・・。
先日のダイレクト=2012年4月21日に公開されたニンテンドーダイレクトのこと。
- 岩田
- 今回、おふたりにお話をうかがって、よくわかりました。
『世界樹の迷宮』はなぜ『世界樹の迷宮』として生まれたのか。
そこにはまず、スタッフのみなさんのゲームの原体験があって、
時代とともにアピールできなくなっていたRPGのある一面に、
スポットライトを集中的に当てることで、
古き良き時代のRPGをなつかしく感じていただいた方だけでなく、
新しい世代の方にも響くものができたということだったんです。
それはまぎれもなく、時代を超えて通用する
魅力があったということだと思います。
その魅力がまた、今作『IV』という、
新しい結晶として世に出ていきます。
これからどのような反響があるのか、大変楽しみです。
今日はどうもありがとうございました。
- 一同
- ありがとうございました。