『ポケモン立体図鑑BW』
4. 野望は全員に
- 岩田
- 今回の「ポケモンARマーカー」では、
まだまだ新しい遊びができるんですよね。 - 小笠原
- はい。壁に貼って使えるようにするために、
かなりこだわってつくりました。 - 石原
- これまでの「ARカード」だと、
壁に貼ると縦になって飛び出しましたよね。 - 岩田
- ええ。頭の上から見た絵しか写りませんでした。
- 折本
- でも今回は、壁に貼ると、
正面から飛び出してくるようにしました。 - 岩田
- それはどういう仕組みになってるんですか?
- 折本
- 加速度センサーを使いました。
- 岩田
- ああ、なるほど。
カードの位置と3DS本体の傾きの関係によって、
このカードは壁に貼ってある、
このカードは床に置いてあるという認識をするんですね。 - 折本
- そうです。
- 岩田
- どうして壁に貼ってあることを
認識させようと考えたんですか? - 小笠原
- もともとポスターをつくりたかったんです。
- 折本
- たとえばポケモンセンターのような場所で、
「ポケモンARマーカー」のポスターが貼られていて、
そこから大きなポケモンが飛び出してくると
すごくうれしいですよね。 - 石原
- 壁にたくさんの
「ポケモンARマーカー」が貼られていたりとかね。 - 小笠原
- そこで、ふつうに壁に貼ると、
ポケモンは正面を向いて飛び出してくるんですけど、
右に向けて貼ると、右を向いて、
左に向けて貼ると、左を向くようになるんです。 - 岩田
- 逆さまに貼るとどうなるんですか?
- 小笠原
- 後ろ姿になります(笑)。
- 岩田
- なるほどねぇ(笑)。
- 小笠原
- なので、現実の世界で、たとえば3D迷路をつくって、
壁のあちこちに「ポケモンARマーカー」を貼り、
そこに3DSをかざすと、ポケモンの向きがわかるので、
その方向に進むと、目的の場所に行けます、とか
そういう使い方もしてほしいと思っています。 - 竹内
- ですね(笑)。
- 小笠原
- 「出口はこっちですよ」とか、
そのような使い方をしてほしいなあと思っています。
- 石原
- なので、今回はいろんな遊びができると思います。
たとえば、2枚の「ポケモンARマーカー」を
1枚は手前に、もう1枚はちょっと奥に
向かい合わせるように置いて、
それを3DSではなく、まずデジカメで撮るんです。
で、それをパソコンの画面に映して、
3DSで見ると、奥行き感のある絵が見えるんです。 - 岩田
- はいはい。
- 石原
- そのように、ポケモンが向かい合って
バトルをしているような感じに撮れば、
「3DSでバトルしていると、こんな感じだね」
というのが見えたりするんです。
だから、いろいろ工夫して、
いろんな遊びを楽しんでほしいと思いますね。 - 岩田
- わかりました。
さて、そのようにいろんな楽しみ方ができる
『ポケモン立体図鑑BW』ですが、
今後はどんな展開を考えているんですか? - 石原
- まずは、すべてのニンテンドー3DS本体に、
このソフトが必ず入っている状態に
持っていきたいです。 - 岩田
- 石原さんは
「3DSにプリインストールしてほしい」
と、言っていたくらいですからね(笑)。 - 石原
- そうです(笑)。
もちろんポケモンのことを知らなくても、
アニメーションを見ているだけで
楽しめるソフトになったと思っていますが、
少なくとも『ポケットモンスターブラック・ホワイト』を持っている人には、
この『ポケモン立体図鑑BW』を見ながら、
遊んでいただきたいと思います。
やっぱり『ポケットモンスターブラック・ホワイト』に出てきたのは
新ポケモンばかりですので・・・。 - 岩田
- しかも、ソフトは去年出たところですし、
新ポケモンの全体の構造が
頭のなかに全部入っている人ばかりではないでしょうしね。 - 石原
- 図鑑のポケモンを少しずつ集めていくだけでも、
知識はどんどん深まっていくと思います。
ただ、集めていくと、「ピカチュウはどうしたの?」とか
「あのポケモンがまだ出てこないぞ」とか、
疑問がいろいろ出てくるはずなんです・・・。 - 岩田
- ピカチュウはどうするんですか?(笑)
- 石原
- どんなかたちでプレゼントされると、
みなさんに喜んでいただけるのかを検討中です。
それから、今回の図鑑に出てくるのは、
『ポケットモンスターブラック・ホワイト』で
新たに登場したポケモンだけですけど、
いずれは「“全国版”に向かって図鑑を拡張していきたい」
という野望も持っています。
- 岩田
- でも、つくるのが大変そうですね。
全国版の規模になると・・・。 - 石原
- そうですね。ポケモンの数もそうですが、
今回の立体図鑑のなかには、
入れられる機能はほとんど入れましたから。 - 岩田
- それは、わたしから見ても、
今回は新しい提案のてんこ盛りの印象を持っています。
「いつの間に通信」を使って、
新しいポケモンが日に日に増えていったり、
お客さん同士が図鑑のポケモンをコピーし合ったり、
「ポケモンARマーカー」を自分で書いてください、
ということを含めて、新しいことばかりですので、
任天堂の社内のなかには
「どうしてこんなにつくりこんでいるのに、無料なんですか?」
という声もあったくらいなんです。 - 石原
- そうなんですね。
今回は3DSの性能を、かなり細かいところまで
たくさん引きだした手ごたえを、僕自身感じています。 - 岩田
- ですから、ニンテンドー3DSをお持ちのお客さんは、
ネットにつないでさえいただければ、
かんたんに手に入れることができますので、
とりあえず触ってみてほしいですよね。 - 石原
- そうですね、ホントに。
たくさんの人にダウンロードしてほしいと思います。 - 岩田
- 野望は全員に、ですか。
- 石原
- はい。3DSを持っている全員に
ダウンロードしてほしいです。 - 岩田
- ありがとうございました。
では、引き続いて、
ニンテンドー3DS専用ソフトとして出る
『スーパーポケモンスクランブル』(※12)について
話を訊こうと思います。
恐れ入りますが、石原さんにはお残りいただきたいと思います。 - 石原
- はい。・・・あ、そうそう、
その『スーパーポケモンスクランブル』の
早期購入特典(※13)として、
何かオマケを付けたい、ということになったんです。
『スーパーポケモンスクランブル』=ニンテンドー3DS専用ソフトとして、2011年8月11日に発売のアクションゲーム。
『スーパーポケモンスクランブル』の早期購入特典は一部店舗のみでの実施となります。
- 岩田
- はい。
- 石原
- そこで、先ほど話に出た
「ポケモンARマーカー」なんですけど、
それを全部集めたものを
オマケにしようという話になったんですが、
最初から「ポケモンARマーカー」が印刷されていると、
面白みがないんですね。 - 岩田
- やっぱり、自分で描いてほしいわけですね。
- 石原
- はい。そこで、
塗るべき場所にチェックマークが付いていて、
自分で塗って完成する「ポケモンARマーカー」を
オマケに付けようと。 - 岩田
- 「ARマーカーぬりえ」ですね。
- 石原
- そうです。まさにぬりえです(笑)。
10個くらいは最初から塗られていて、
あとは自分で塗って、
ポケモンを自分で出現させてくださいと。 - 岩田
- さっき、石原さんが見せてくれたように、
ラフに塗っても、ポケモンが出現するんですよね。 - 石原
- はい、ちゃんと出ます。
- 岩田
- なんか、自分で描いたものから、
ポケモンが浮かび上がるというのは、
すごくうれしいですよね。 - 石原
- きっと驚くでしょうね。
あと、もうひとつオマケを考えているんですけど・・・。
- 岩田
- それは次回の話ということで(笑)。
- 石原
- そうですね。
- 岩田
- みなさん、どうもありがとうございました。
- 一同
- ありがとうございました。