『えいごで旅する リトル・チャロ』
9. 英語のクオリティも折り紙付き
- 岩田
- 石井さんが手ごたえを感じたのはいつでしたか?
- 石井
- わたしは、いちばん最初に音声が入ったときに
ものすごく感動したんです。 - 服部
- 音声もそうですけど、
わたしはかわいいグラフィックにも
途中から手ごたえを感じるようになりました。
2Dのチャロが、本当にかわいらしく動くんです。
1センチに満たないようなちっちゃなチャロでも、
きちんとアニメーションがついていたりして、
想像していたよりも、アニメーションパターンとかも多くて、
すごくかわいいなと思いました。
それを見ているだけで、英語とかに関係なくニヤニヤできるというか、
それはすごく大きかったなあと思います。 - 石井
- そうですね。最初にスクリーンタッチすると、
「ワン!」と吠えるんですけど、あれがすごく好評なんです。 - 服部
- 「ゲームをはじめますか」と聞かれて、
「いいえ」を選ぶと「ク〜ン」と鳴くんですよね(笑)。 - 石井
- ジュピターさんには
そのような細かいところにもこだわっていただいて、
本当にありがとうございました。 - 村上
- いえいえ。
- 岩田
- それでは最後に、お客さんへのメッセージを
みなさんからいただこうと思うのですが、
「このかわいい犬は何だ!?」からはじまった
服部さんからお願いできますか? - 服部
- はい。原作をつくっていらっしゃる方もですし、
わたしたちはもちろん、ジュピターさんもですし、
関わっているみんながすごくチャロのことが大好きで、
たぶんそれはプレイする人にもすごく伝わると思うんです。 - 岩田
- チャロ愛の結晶なんですね。
- 服部
- はい。しかもそれは
決して独りよがりなものにはなっていないと思うので、
それはモニターさんの声を聞いても・・・。 - 岩田
- 独りよがりなものだったら、
モニターさんは泣かないですからね。 - 服部
- そうですよね。
そのようなことを味わっているうちに、最後まで到達して、
「あ、なんか、このセリフって聞き覚えがあるかも?」
みたいな感じで、いつの間にか英語が染みこんでいるということが、
このソフトの狙いで、それが今回は実現できたと思いますし、
英語が苦手な人にも、得意な人にも、
「何だろ、このワンちゃんは?」と気になった人にも、
本当に幅広い人たちに満足していただけるものになったと思います。
- 岩田
- 英語教材の一面を持ちながら、
こんなに英語に対して義務のないソフトはあんまりないですよね。 - 服部
- そうですね、はい。
ですから、今日のインタビューでも
ほとんど英語の話をしてないなと思って(笑)。 - 岩田
- 確かにそうですね(笑)。
- 服部
- でも、英語のクオリティに関しては折り紙付きですし、
このソフトで、英語に対する苦手意識を
払拭(ふっしょく)していただければ、うれしいです。 - 岩田
- はい、村上さん。
- 村上
- 服部さんの話と重なるんですけど、
スタッフみんながチャロのことを愛していたんです。
開発中は、自分で使っているノートとか鉛筆とかをぜんぶ
チャログッズに変えてみたりとか、
ぬいぐるみを机の上に並べてみたりしていましたし。 - 石井
- ありがとうございます。
- 村上
- そのようにチャログッズに囲まれてつくったソフトなので、
英語を学ぼうとか、そういうことを意識せずに、
ゲームとして楽しんでいただければと思います。
本当に面白くて、タメにもなって、
泣けるお話もいっぱいありますので。
- 石井
- では、わたしからは
英語のソフトとしてちょっと申し上げますと、
今回は1万8000ものセンテンスがフルボイスで入っていて、
「お役立ちフレーズ」ということで、
日常で使える便利な英語表現や解説なども読むこともできます。
実は英語を学習したい方にもバッチリな内容になっています。 - 岩田
- そういう学習ができるのは、
ゲームならでは、ですよね。 - 石井
- そうなんです。
セリフやナレーションを何度も聞き直すことができるのも
ゲームならではの機能だと思います。
それに、声優陣の演技力はものすごいので、
物語にずんずんのめり込めると思います。
原作にはないお話もいっぱい入ってますので、
ぜひ物語も楽しんでいただきたいですね。 - 岩田
- 「原作はもう知ってるよ」という人でも、
知ったかぶりをしないで、ぜひ楽しんでくださいということですね。 - 石井
- はい。オリジナルストーリー以外のところでも、
間に入ってくるミニゲームもすごく面白いです。
ジャンプするだけのゲームもあったりしますので、
そのへんでホッとひと息つけますし、
ぜひ細かいところまで楽しんでいただきたいですね。
- 岩田
- 最後に鵜川さん、お願いします。
- 鵜川
- 英語のソフトということで言いますと、
わたしたちNHKエデュケーショナルの語学部が
今回のゲームソフトの制作に関わる以上、
「英語では絶対に間違えてはいけない」という想いがあって、
そこはそうとう気を遣いました。
なので、英語の表現に関することは、学習効果を含めて、
おそらく満足していただけるものになっていると思うので、
これで思いっきり学習していただいても、もちろんOKです。
「英語を勉強するぞー!」という気持ちでやっていただいても、
ぜんぜんかまわないものになっていると思います。
- 岩田
- 生の英会話を勉強したい人にも
じゅうぶん応えられるソフトになったということですね。 - 鵜川
- はい。あと、ゲームをあまりしない僕のような人でも、
楽しく遊べるミニゲームが入っていますので、
みなさんぜひ手にとって、
いろんな使い方をしていただきたいです。 - 岩田
- ありがとうございました。
今回、NHKさんの“英語学習人口の拡大”という一面をもった、
『リトル・チャロ』という番組が元で、
このようなご縁ができて、時間はかかりましたけど、
とても高品質な答えが出せたという印象を持っています。
このソフトにはマルチな魅力があって、
犬が好きでも、英語を勉強したいでも、
泣ける話を味わいたいでも、久しぶりにDSで遊びたいでも、
どこでもいいですから、どこか1カ所でも接点があったら、
それはご縁かもしれません、ということを、
わたしからは申し上げておきたいと思います。 ところで、NHKのみなさんは、
任天堂とおつきあいされて驚かれたことはありますか?- 鵜川
- さっきも言いましたけど時間のかけ方ですね。
- 石井
- (しみじみと)ホントに。
- 鵜川
- テレビ番組をつくるときは、
最後は何がなんでも放送しなきゃいけないんですけど、
ゲームの場合、クオリティのために延ばせるというのは、
いい面と悪い面、両方あると思いますけど、
そこに大きな違いを感じました。 - 石井
- わたしも時間のかけ方には驚きました。
先ほど「手ごたえを感じたときは?」と訊かれましたけど、
あまりにも開発期間が長かったので、
発売日が決まっても安心できないところがあって、
わたしにとって、本当に手ごたえを感じることができたのは
できあがったパッケージをこの目で見たときでしたから(笑)。
- 岩田
- それでようやく安心されたんですね(笑)。
- 一同
- (笑)
- 岩田
- みなさん、本当に長い間、お世話になりました。
ありがとうございました。 - 一同
- ありがとうございました。