『安藤ケンサク』
開発スタッフ 篇
- 岩田
- こうして約3年間の血と汗と苦闘のすえに
ようやく『安藤ケンサク』が世に出ていくわけですが、
最後にこのソフトのオススメの言葉をいただきたいと思います。
まずは油井さんからお願いします。 - 油井
- わたしの子どもはまだ幼稚園を卒園したばかりなんですが、
そこで出会ったお母さんたちの話を聞いてみたところ、
Wiiを自分から積極的に遊んでいらっしゃる方ばかりでは
ないようだったんです。
でも、今回の『安藤ケンサク』は
そんな方々にも家族みんなで楽しんでいただけると思いますので、
ぜひともみなさんに遊んでもらいたいと思います。
- 岩田
- それでは征矢さん、お願いします。
- 征矢
- 油井と同じようなコメントになってしまうのですが、
『安藤ケンサク』がある程度かたちになったとき、
「これって実は老若男女に楽しめるんじゃないか」
と思ったんです。 - 岩田
- 年齢や性別、ゲーム経験の有無を問わずに
誰もが楽しめる遊び、なんですね。 - 征矢
- はい。本当に誰でも楽しめます。
とくに今回は、言葉を使ったゲームですので、
人生経験がそのまま反映されるようなところもあると思うんです。
だから、けっこうお年を召した方とかも有利だと思います。
ある意味、人類の総意というか、
みんなの考えをまとめたものを解いていきますので、
きっと老若男女を問わずお楽しみいただけると思います。
それに、今回は検索という、
インターネットという皮をかぶってはいるんですけど、
そんなにデジタルしたものではなくて、
実際にゲームをプレイするときに考えるのは、
世間の話題、考え、発想など、「人」についてであり、
実はとてもアナログな要素が多いんです。
匿名希望さんのツッコミも入っていますし。
そういった、人間味あふれるところも
楽しんでいただければと思います。
- 岩田
- はい。それでは最後に西村さん、どうぞ。
- 西村
- いま征矢さんが
「インターネットという皮をかぶっている」とお話されましたけど、
Wiiがインターネットにつながっていなくても
遊べるゲームだということを、まずお伝えしたいです。
そして願わくば、検索にちょっとでも興味を持ってもらって、
身近に感じていただけるようになるとうれしいですね。 - 岩田
- 検索のことに詳しくなるソフトでもあるんですね。
- 西村
- はい。それからこのゲームは、
クイズゲームのように知識の量を問うものではなく、
言葉を選んだり、組み合わせるだけの
誰でも遊ぶことのできる、
これまでにないゲームになりましたので、
ぜひ多くのみなさんに遊んでいただきたいと思います。
- 岩田
- 単に何をどれだけ知っているという知識だけじゃなく、
世の中の人がどのように行動し、
どんなことをたくさん知りたいと思うか、
そういった総意みたいなところに気づくことが
このゲームでは大事になるんですね。 - 油井
- はい。ですからクイズゲームで悔しい思いをしている人は、
リベンジに使っていただければと思います。 - 岩田
- なるほど(笑)。
それでは、わたしからもひとつ。
任天堂はDSやWiiの発売の少し前から、
“ゲーム人口の拡大”を会社のスローガンにしていました。
それは、「年齢性別、ゲーム経験の有無を問わず、
誰もが楽しめる商品によって実現したい」ということなのですが、
そういった商品は、口で言うほど簡単につくることができません。
でも、一定以上の知識と考える力があれば、
それぞれの次元で楽しめて、
必ずしもいわゆる知識量の多い人が勝つという
遊びではないというところも含めて、
いろんな人がいっしょに遊べるという点では、
今回の『安藤ケンサク』は
とても面白い立ち位置の商品になったと思います。
もちろんゲームではあるのですが、
いわゆる運動神経を要求するものでもありませんし、
単に知識の量を競うわけでもありません。
でも、これに触れていると、
だんだん世の中の人の考えていることが、
頭のなかにイメージできるようになったり、
自分の知らないGoogleの検索機能のことが見えてきたり、
遊んでいくことで結果的に
「ちょっと得したな」と感じていただけるのではないでしょうか。
このソフトをつくるにあたって
約3年もの時間がかかってしまいましたが、結果として
とてもユニークなものにまとまったと思いますし、
この商品をたくさんの人に知っていただいて、
「いままで考えたこともなかった発想ができるようになった」とか、
「これってなぜかなと思っていたけど、こういうことだったんだ」とか、
「なるほど、スッキリした」とか、
そういった声が世の中に増えると面白いなと思います。
その意味では、今回の商品も
“ゲーム人口拡大”というアプローチに
とても合ったものにまとまった感じがしています。
みなさん、長い間、本当にお疲れ様でした。
ところでみなさんは、このソフトづくりを通じて、
すごい雑学王にもなったんじゃないですか?
- 征矢
- それはもう(笑)。
飲み会の席でも、たくさん発表できるくらいです。 - 岩田
- (笑)
- 征矢
- 最初の頃は、新しいことを知る度にみんなに披露して、
「なるほど」とか「へえ〜」とか言ってもらえてたんですが、
最後はみんなが雑学王になっちゃって、
「それ知ってるよ」と言われちゃうんです。 - 岩田
- でも一歩外に出ると・・・?
- 征矢
- 「へえ〜、すごいね」となるでしょうね(笑)。
- 油井
- だから、これからは
積極的に社外の人と飲み会をしようと思っています。 - 一同
- (笑)