『スーパーマリオギャラクシー』
Vol.2 開発スタッフ 篇
- 岩田
- ハチマリオに変身したり、アシストプレイができたりと、
今作は、はじめての人にもプレイしやすいようにつくられたので、
「中級者や上級者の自分には楽しめないんじゃないの?」
といった誤解をするお客さんも少なくないと思います。
でも、開発を担当したみなさんはきっと
「そんなこと、ありません!」と、思ってるんでしょうね(笑)。 - 林田
- そこはホントに強調したいところです。
今作はボリュームがとにかくすごいんです。
それに、いろんなバリエーションの遊びが
楽しめるようになっていて、奥深いところにいけば、
上級者だからこそ歯ごたえを感じるようなステージもあります。
通常のステージでもうまい人がやれば、
かっこよく敵を倒すことができます。 - 岩田
- 「スーパー華麗プレイ」ですね。
- 林田
- 自分で録画して、みんなに見せたくなっちゃうくらい(笑)。
- 岩田
- 『マリオ』の伝統である、
体育会的なチャレンジを求める人のニーズにも
しっかり応えているということですね。 - 清水
- 自分もじつは体育会系が好きなんです(笑)。
だから、自分だったらこんな楽しみ方もしたいな
というようなことは、もちろん入れてあります。
- 清水
- クルマにたとえると、オートマチック車のように、
最初は誰でも簡単に運転できるんですけど、
慣れてくるとマニュアル車に切り替えて、
より思い通りに動かせるようになる感じですね。
そうなると、本当に初心者から上級者まで楽しめますし、
今回は、そういうことを意識しながらつくってあります。 - 岩田
- でも、「間口が広くて奥が深い」と簡単に言いますけど、
両立させにくいところもありますよね。 - 清水
- そのへんはカモフラージュというか・・・。
- 岩田
- すごい表現ですね(笑)。
つまり、表向きは羊の皮をかぶってるけど、
中にはハードな体育会系が詰まっている、という感じなんですか? - 清水
- そこはもう徹底してつくってあります。
- 青柳
- ただ、むずかしいだけのものにすれば、
上級者も敬遠してしまうと思うんです。修行じゃありませんからね(笑)。
そこは、プレイするときに気持ちよさがあった上での
難易度になってると思います。
- 白井
- ぼくが担当した中に、EXステージというのがあって、
短時間で遊べるんですけど、ピリ辛なんです。
マニアの人でも、「ふぅ」ってふるえるような。 - 岩田
- 上級者であっても、手に汗をかくような感じですね。
- 白井
- 歯ごたえを求める人たちには
EXステージをぜひ遊んでいただきたいですね。
BGMには、かわいい音楽が鳴ってたりしますけど。 - 岩田
- それも、カモフラージュなわけですね(笑)。
- 白井
- でも、そこはクリアしなくても、
先に進めるようになっています。 - 岩田
- それでは最後に、発売を楽しみにしている
お客様へひと言ずつお願いします。 - 林田
- (メモをポケットから取り出しながら)
実は今回、インタビューに出られなかったスタッフから、
ぜひ話してほしいというメッセージを預かってるんですが、
よろしいですか? - 一同
- (笑)
- 林田
- 「タマコロ」というステージは、ぜひ遊んでほしい・・・と。
- 青柳
- 「タマコロ」は、傾きセンサーを使うゲームなんですけど、
もともとは、マリオを操作する方法のひとつとして実験をはじめました。
ところが、マリオじゃなくって「たま」で遊んでみたら
これがすごくおもしろかったんです。
それで、そのままゲームにしました。 - 林田
- あと、疑似2Dのようなステージがありまして、
そこに来ると、「あ、これこれ」という
まるで故郷に帰ったような気持ちになれるみたいですし、
サウンドに合わせてテンポよく遊べるようにつくりこんでいますので、
ぜひその部分は楽しんでほしい・・・
とメンバーが申しておりました(笑)。
- 清水
- バラエティ豊かなソフトになったと思います。
しかも、「こんなのできない」と感じないようなバランスに、
難易度を調整していますし、
どうしてあの人が出てこないの・・・という声にも、
ちゃんとお応えできるようにしています(笑)。
ゲームの隅々まで、徹底してつくりこんでいますので、
たっぷり楽しんでほしいですね。 - 青柳
- わたしは重力プログラムをつくったので、
へんてこな形の星をとにかく走り回って、
これまでにない新しい感覚を楽しんでほしいですね。
あと、プログラマーとして言いますと、
すごくこだわって60フレーム(※6)にしましたので、
なめらかな画像も楽しんでほしいです。
0フレーム=1秒間に画面に表示するコマ数。
- 白井
- わたしがお伝えたいのは「キノピオ探検隊」です。
広大な宇宙を冒険してると、やっぱり寂しくなるんです。
でも、ところどころでキノピオに会えるようになっていて、
ヒントをくれたり、励ましてくれたりします。
ピーチを救うために、キノピオたちといっしょに
広い宇宙を旅しているような感覚になれると思います。
それに、隠しステージや、意外な場所に土管があって、
発見する楽しさも味わえますし
そういったことも含めて、広大な『マリオギャラクシー』の世界を
すみからすみまで満喫してほしいですね。
- 岩田
- すみからすみまで満喫しようとすると、
とんでもないことになるかもしれませんね(笑)。 - 元倉
- ものすごい数の星が用意されていますし。
- 岩田
- みなさん、本当にお疲れ様でした。
それでは次回は、京都本社に戻って別の開発スタッフの方に
お話を訊いてみたいと思います。