その1:坂口博信さん 藤坂公彦さん 2. 「惚れてしまいそう」な女性キャラクター 〜お待ちくださっていたみなさまへ〜 : みなさん、こんにちは。社長の岩田です。 社長が訊く『ラストストーリー』の第1回が掲載されてから、 かなり長い時間が経ってしまいました。 発売日の確定に少し時間がかかったこともありましたが、 ここしばらくは、任天堂カンファレンス(※7) の準備のために わたしのところで、原稿確認が止まっていたことが原因です。 続きを楽しみにお待ちくださっていたみなさまには、 時間が空いてしまい、申し訳ありませんでした。 長らくお待たせしましたが、 坂口さんに訊いた『ラストストーリー』を これからはあまり長い時間を空けずに公開していきますので、 よろしくお願いします。 任天堂カンファレンス=2010年9月29日に開催された、「任天堂カンファレンス2010」のこと。 {:.note-sm .faded title="※7"}
{:.border.border-radius loading="lazy"} 岩田 : 坂口さんは、ゲームのスタッフィングについては どのような順序で考えていくんですか? 坂口 : 僕の場合、 イメージイラストやキャラクターがとても大切なんです。 今日は藤坂くんが来てくれていますけれど、 作品のイメージをふくらませる過程から彼といっしょに考えました。 藤坂くんの絵があるからこそ、今回の世界観があるんです。 岩田 : ・・・ということで、藤坂さん、大変お待たせしました(笑)。 藤坂 : いえいえ(笑)。 岩田 : ようやく藤坂さんに振ることができました(笑)。 というわけで、自己紹介をお願いします。 藤坂 : 藤坂公彦です(笑)。 キャラクターデザインを担当しています。 {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 岩田 : 藤坂さんのイラストは、任天堂社内でもファンが多いんですよ。 「とても魅力を感じる」とか「絵がいい!」という声をたくさん聞きました。 藤坂 : ありがとうございます。 岩田 : イラストを手がけるにあたって、 坂口さんからは、まずどんなリクエストが来るんですか? 藤坂 : リクエストというか・・・最初のうちは、かんたんなプロットが用意されて、 「そこで何が見えてくる?」って問いかけてくれるかたちでした。 だから僕もいろいろ気にせず、自由にやらせていただきました。 岩田 : 坂口さんと藤坂さんのおつきあいはどれくらいになるんですか? 坂口 : 3、4年・・・くらいかなあ。 藤坂 : じつはそれほど長いおつきあいというわけではないんです。 だからこの場にいて、いっしょに話すこと自体が恐縮で・・・。 坂口 : いやいや(笑)。 岩田 : 藤坂さんは、今回のプロジェクトに どの段階から関わることになったんですか? 藤坂 : 今回のプロジェクトには、最初の段階から関わりました。 でも、坂口さんはハワイに在住されているし、 僕からすれば“雲の上の人”だったので、 最初はスムーズにやりとりができるか・・・少々不安でした。 ところが、実際に開発がはじまると、 そんな不安をよそに、どんどん先へと進んでいくんです。 そこで、感じたのは、 坂口さんは、僕の絵を広げてくれる人だなと。 岩田 : 坂口さんが、藤坂さんの可能性を広げられたように 感じておられるんですね。 藤坂 : はい。ですから、絵を描くことがどんどん楽しくなっていきました。 坂口 : 僕は彼の描く絵の、とくに女の子が大好きで、 その横顔といったらもう・・・。 あんな人が本当にいたら、 すべてを捨ててふらふら〜っと行っちゃいそうで(笑)。 {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 岩田 : (笑)。社内でも「ちょっと惚れてしまったみたい」って声を、 何度か聞きましたよ。 坂口 : そう、惚れてしまうんですよね。 藤坂 : (小さい声で)そ、そうですかね・・・。 坂口 : (しみじみと)いや、ホントにいいですねえ。 一同 : (笑) 岩田 : 坂口さんは、前の仕事で藤坂さんと出会ったご縁で、 今、藤坂さんと仕事をされているわけですよね。 坂口 : そうです。 岩田 : 自分の考えた世界が、藤坂さんによってビジュアル化されていく過程が、 坂口さんには心地よいということでしょうか。 坂口 : ええ。むしろ、藤坂くんがつくってくれたキャラクターに、 世界観や性格設定を合わせることもありますね。 岩田 : ああ、そうだったんですか。それは意外です。 というのも、わたしは、坂口さんのゲームのイメージは すべてご自身の頭のなかで先に決まっていると思いこんでいましたから。 坂口 : そうでもないんです。 他の人が考えたことでも、魅力的なものがあればどんどん取り入れます。 たとえば、舞台や映画をつくる人たちが、 女優さんの魅力に合わせるようなものでしょうか。 その女優さん特有の立ち振る舞いがあれば、それを活かしたいというか。 岩田 : まず魅力的な表情や演技をしてくれる役者さんがいて、 それを活かすように、物語を紡いでいく感じなんですね。 坂口 : そうです。彼が描く絵には、まさにそのような魅力があるんです。 だから今回は、藤坂くんがスタッフのひとりであることを 「ありがたい」と思うよりも、「ありがとう」と思っているくらいです。 ここまで『ラストストーリー』のイメージがふくらんだのは、 彼の力が大きいと思いますね。 (藤坂さんに向かって)そこまでほめちゃ、しゃべりづらい? {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 藤坂 : ・・・は、はずかしいです(笑)。 岩田 : 藤坂さんは、ゲーム業界でどれくらい仕事をされているんですか? 藤坂 : 今年で11年目です。 この世界では、それほどキャリアがないほうです。 岩田 : そんなことはないと思いますが、 藤坂さんは、坂口さん以外の方とも仕事をされてきたんですよね。 藤坂 : はい。今までは開発会社のなかで、 データ制作をしながらキャラクターデザインをすることが多かったんです。 岩田 : 今回、坂口さんと仕事をして、やりかたもガラリと変化したことで 刺激があったんじゃないですか? 藤坂 : そうですね。 こういうプロジェクトの体制や仕事のやりかたは初めてでした。 いろいろと初めてづくしでしたので、 純粋にワクワクと楽しみながら進められました。 岩田 : いっしょに仕事をして、 坂口さんにどんな印象を持たれました? 藤坂 : そうですね・・・見た目のまんまじゃないかと(笑)。 坂口 : (笑) 藤坂 : ・・・失礼な言い方を許してもらえるなら 気のいい、となりの家のお兄さんみたいな? 坂口 : いいじゃないですか(笑)。 藤坂 : でも、近くにいると、すごくバイタリティを感じます。 僕自身が刺激を受けて、 いろいろなものを引き出されるというか。 岩田 : 坂口さんには、周囲の人の心を動かす 巨大なエネルギーがあるんでしょうね。 たっぷりと充電してきたエネルギーを、ものづくりの過程で、 グワーッと一気に放出しているような印象を受けます。 藤坂さんは、そのエネルギーを真横で感じつづけてきてどうですか? {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 藤坂 : ビシビシと感じますね。 休む間もなく「あ、もう次のことを考えているんだな」と。 これほどのパワーを発する人とは、僕も初めて出会いました。 だから、僕自身も引っぱられるというか、 「負けてられないな」という気持ちが生まれるんです。 岩田 : それが「引き出される」感覚につながるんでしょうね。 藤坂 : はい。そもそも坂口さんは、口うるさく言うタイプではないんです。 だからこそ、「お、いいね!」と言わせたり、驚かせたりしたい、 という気持ちがムクムクと湧いてくるんです。 いいときは「いい」と言葉にしてくれるんですが、 逆に悪いときは反応が鈍いというか・・・(笑)。 坂口 : もう、何も言わない(笑)。 岩田 : やり直しであることを、自分で察するわけですね(笑)。 藤坂 : でも、そんなやりとりが、うまくいっていると思いました。 [3. 四角いキャラが動いていたプロトタイプ](/others/interviews/jp/wii/slsj/vol1/3/) {:.read-more} © 2022. All rights reserved. 大家已经冲了 次 更新日志