『スーパーマリオコレクション スペシャルパック』
## 『スーパーマリオコレクション』開発者篇 杉山 : こうやって話していると、いろんなことを思い出しますね(笑)。
そもそも『スーパーマリオ』というゲームは
けっこうバグの宝庫というか、
それが全部裏技として世間で話題になっていましたので
スーパーファミコン用につくり直すときに、
悪影響がないものは残すようにしたんです。
でも、ゲームの進行上、問題になりそうなバグは直しましたので、
「場所によっては微妙に操作感が変わっているんじゃないか」と、
そんな意見も、ちょっとありました。 岩田 : 確かに当時「操作感が微妙に違う」と言う人がいたのを
わたしも覚えています。 杉山 : たぶんそのへんを修正した影響だと思います。 岩田 : そもそも『スーパーマリオ』が
あれほどたくさんの人たちに遊ばれて、
しかも、次から次へと裏技として研究され、紹介され尽くし、
しまいには存在しないはずのワールドのウワサまで飛び出したりしましたし。 杉山 : はい(笑)。 岩田 : あの当時の裏技には
マップの抜けちゃいけないところを抜けて入っていってという
パターンのものが多かったですよね。 杉山 : そうでした。
スーパーファミコン用では「無限マリオ」も残すようにして、
でも、確か128くらいで、リミットがかかるようにしました。 岩田 : 無限じゃなく、128回くらいに制限したんですね。 杉山 : ええ、ちょっとがっかりされるかもしれませんけど(笑)。 岩田 : 初代『スーパーマリオ』はそんな感じでしたが、
それでは飽き足らないという
上級者向けにつくられたのが『スーパーマリオ2』でしたよね。 杉山 : はいはい。 岩田 : あれはまあ、本当に難しいゲームですよね。
ゲームの上手な人でないと自在に遊べないと思うんですけど、
つくっている間に、なんとか遊べるようになるものなんですか? 杉山 : いや、あれはもう・・・わたしは投げました(笑)。 森 : 僕もです(笑)。 岩田 : (笑) 森 : あの当時、デバッグもわれわれスタッフが
全部担当していましたので、よく覚えているんです。 岩田 : 当時は、いまのようにデバッグを専門にするスタッフがいなくて、
開発者が自分でつくったものを自分でチェックしていたわけですよね。 森 : はい。それで、
『マリオコレクション』には4本のソフトが入ってるので
デバッグ担当を決めなきゃいけないんですけど、
最初の段階で「すみません、僕には『マリオ2』はできません」と、
ギブアップ宣言をしていました(笑)。 {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 岩田 : (笑) 森 : 幸いなことに開発のなかにうまい人が何人かいたので
『マリオ2』はその人たちにお願いして、
僕は『マリオUSA』の担当をした記憶があります。 岩田 : ただ、『スーパーマリオ2』というゲームは、
それほど歯ごたえがあるゲームということですし、
ゲームの腕に自信のある人には、
これを機会にぜひチャレンジしていただきたいですね。 杉山 : それで、いま思い出したんですけど、
その歯ごたえを少しでも和らげようということで、
プレイヤー数をオリジナルは3人だったのを
『マリオコレクション』では5人にしました。 岩田 : でも、そういうのを“焼け石に水”と言うんじゃないですか? 杉山・森 : (笑) 杉山 : でも少しは・・・(笑)。 岩田 : まあ、それで少しはクリアできる可能性は変わるんでしょうけど
やっぱり“焼け石に水”でしょう(笑)。 {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 杉山 : ですよね(笑)。 岩田 : 上級者には、けっこう大きな変更かもしれませんが。 杉山 : でも、さらにセーブ機能を付けて・・・。 岩田 : ああ、そもそもセーブのない時代のゲームでしたからね。
最初の『スーパーマリオ』の頃は。 杉山 : そうです、ないんです。 岩田 : バッテリーバックアップカセット(※7)というのは、
あの時代にあって、革命的な発明でしたよね。 杉山 : そこで『スーパーマリオ2』では
コースごとにセーブできるようにして。
かなりお助けにはしているつもりなんです。 バッテリーバックアップカセット=電池を使用したメモリをカセット内に積むことで、ゲームのセーブデータを記録するシステムのこと。ファミコンのカセットでは、1987年発売の将棋ソフトで初めて採用された。 {:.note-sm .faded title="※7"} 岩田 : なるほど。
こちらは、プレイヤー数を増やしたよりもかなり影響がありそうですね。 [4. 『マリオ』の歴史を1本に](/others/interviews/jp/wii/svmj/vol2/4/) {:.read-more}
そもそも『スーパーマリオ』というゲームは
けっこうバグの宝庫というか、
それが全部裏技として世間で話題になっていましたので
スーパーファミコン用につくり直すときに、
悪影響がないものは残すようにしたんです。
でも、ゲームの進行上、問題になりそうなバグは直しましたので、
「場所によっては微妙に操作感が変わっているんじゃないか」と、
そんな意見も、ちょっとありました。 岩田 : 確かに当時「操作感が微妙に違う」と言う人がいたのを
わたしも覚えています。 杉山 : たぶんそのへんを修正した影響だと思います。 岩田 : そもそも『スーパーマリオ』が
あれほどたくさんの人たちに遊ばれて、
しかも、次から次へと裏技として研究され、紹介され尽くし、
しまいには存在しないはずのワールドのウワサまで飛び出したりしましたし。 杉山 : はい(笑)。 岩田 : あの当時の裏技には
マップの抜けちゃいけないところを抜けて入っていってという
パターンのものが多かったですよね。 杉山 : そうでした。
スーパーファミコン用では「無限マリオ」も残すようにして、
でも、確か128くらいで、リミットがかかるようにしました。 岩田 : 無限じゃなく、128回くらいに制限したんですね。 杉山 : ええ、ちょっとがっかりされるかもしれませんけど(笑)。 岩田 : 初代『スーパーマリオ』はそんな感じでしたが、
それでは飽き足らないという
上級者向けにつくられたのが『スーパーマリオ2』でしたよね。 杉山 : はいはい。 岩田 : あれはまあ、本当に難しいゲームですよね。
ゲームの上手な人でないと自在に遊べないと思うんですけど、
つくっている間に、なんとか遊べるようになるものなんですか? 杉山 : いや、あれはもう・・・わたしは投げました(笑)。 森 : 僕もです(笑)。 岩田 : (笑) 森 : あの当時、デバッグもわれわれスタッフが
全部担当していましたので、よく覚えているんです。 岩田 : 当時は、いまのようにデバッグを専門にするスタッフがいなくて、
開発者が自分でつくったものを自分でチェックしていたわけですよね。 森 : はい。それで、
『マリオコレクション』には4本のソフトが入ってるので
デバッグ担当を決めなきゃいけないんですけど、
最初の段階で「すみません、僕には『マリオ2』はできません」と、
ギブアップ宣言をしていました(笑)。 {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 岩田 : (笑) 森 : 幸いなことに開発のなかにうまい人が何人かいたので
『マリオ2』はその人たちにお願いして、
僕は『マリオUSA』の担当をした記憶があります。 岩田 : ただ、『スーパーマリオ2』というゲームは、
それほど歯ごたえがあるゲームということですし、
ゲームの腕に自信のある人には、
これを機会にぜひチャレンジしていただきたいですね。 杉山 : それで、いま思い出したんですけど、
その歯ごたえを少しでも和らげようということで、
プレイヤー数をオリジナルは3人だったのを
『マリオコレクション』では5人にしました。 岩田 : でも、そういうのを“焼け石に水”と言うんじゃないですか? 杉山・森 : (笑) 杉山 : でも少しは・・・(笑)。 岩田 : まあ、それで少しはクリアできる可能性は変わるんでしょうけど
やっぱり“焼け石に水”でしょう(笑)。 {:.border.border-radius width="250" height="150" loading="lazy"} 杉山 : ですよね(笑)。 岩田 : 上級者には、けっこう大きな変更かもしれませんが。 杉山 : でも、さらにセーブ機能を付けて・・・。 岩田 : ああ、そもそもセーブのない時代のゲームでしたからね。
最初の『スーパーマリオ』の頃は。 杉山 : そうです、ないんです。 岩田 : バッテリーバックアップカセット(※7)というのは、
あの時代にあって、革命的な発明でしたよね。 杉山 : そこで『スーパーマリオ2』では
コースごとにセーブできるようにして。
かなりお助けにはしているつもりなんです。 バッテリーバックアップカセット=電池を使用したメモリをカセット内に積むことで、ゲームのセーブデータを記録するシステムのこと。ファミコンのカセットでは、1987年発売の将棋ソフトで初めて採用された。 {:.note-sm .faded title="※7"} 岩田 : なるほど。
こちらは、プレイヤー数を増やしたよりもかなり影響がありそうですね。 [4. 『マリオ』の歴史を1本に](/others/interviews/jp/wii/svmj/vol2/4/) {:.read-more}