『ゼノブレイド』
サウンド 篇
- 岩田
- それでは最後に
みなさんにとって『ゼノブレイド』はどんなゲームなのか、
ひとことずつお願いできますか?
順番を逆にして、ゲーマーの平松さんから訊くことにしましょうか。 - 平松
- はい(笑)。僕にとっての『ゼノブレイド』は、
小さい頃にゲームで感じた冒険することのワクワク感が、
大人になったいまでも感じられるようなゲームだと思います。
- ともり
- 僕は最初に触らせていただいたときに、
見ているだけでリラックスできるような景色があって、
すごく気持ちがよかったんです。
ですから、難しいことはあまり考えずに、
気楽にそういった部分を楽しんでいただけたらと思います。
- CHiCO
- わたしは単純にホンがすごく面白いと思いました。
- 岩田
- 演劇出身だから「ホン」なんですね(笑)。
- CHiCO
- あ、シナリオですね(笑)。
それを読んで、セリフのひとつとっても、
すごく熟考されているなあと感じたんです。
そこで、ひとりになったときは、声を出して読んでいたんです。 - 岩田
- まるで役者さんですね。
- CHiCO
- はい。おかげでいろんな役をしゃべれるようになりました(笑)。
- 岩田
- そこまでしたのは、
曲をつくるうえでも大事なことだったんでしょうね。 - CHiCO
- そうですね。
やっぱり、あの世界を自分のなかに入れて
曲づくりをしたほうがいいと思いましたし。
でも、セリフ自体が単純に面白いんです。
それに、声優さんの選択とかもすごく熟考されていて、
録音の現場もちょっと見せていただいたんですけど、
そこでも「こーじゃない、あーじゃない」というやりとりがたくさんあって、
こだわり抜かれてつくられた感じがあるので、
音楽もひっくるめて、すごく面白いゲームになったと思っています。
- 岩田
- 清田さんは?
- 清田
- わたし、やっぱりゲームが好きだったので、
ゲームの世界のなかにすごく行きたかったんです。
で、『ゼノブレイド』をやらせていただいたときに、
「わたし、この世界を歩いている!」という感じがしたんです。
しかも、一方的に見せられるものではなく、
わたしが主人公と同じ気持ちになって見られるものだったので、
実際にこの世界に入れるような感じがしました。
それに、わたし30代なんですけど
同じ世代の人たちは子どもの頃から
ゲームが好きで育っていると思いますし、
そういう人たちが「もう1回、RPGをやろうかな」と思ったときに、
絶対に面白いと保証できるゲームだと思います。
- 岩田
- では光田さん。
- 光田
- 久しぶりに高橋監督の作品が世に出るということで、
たぶん長い間待っていらっしゃった方も多いと思うんです。 - 岩田
- このように、エネルギーと時間を
たっぷり注ぎ込めてつくるというのは、
そう簡単にできることではありませんからね。 - 光田
- はい。ですからこれまでの『ゼノ』ファンの方だけでなく、
新しいRPGという意味でも
いろんなゲームファンの方に喜んでいただけるんじゃないかと思います。
- 岩田
- では、下村さん。
- 下村
- 今回の『ゼノブレイド』は、最初に見せてもらったときに
すごく目に訴えるなあという印象があったんですね。
世界観もすごいアイデアで、すごく大きな神様が立っていて。
そのスケールの大きさに圧倒されたんです。
いったいどうやって、そういう物語を閃くんだろうと。
実はゲームには、まったく関係ないところで
いろいろ想像が湧いたりもしていたんです。 - 岩田
- それはたとえばどんなことですか?
- 下村
- 人型の神様が舞台ですので、
引力はどうなっているんだろうとか、
この海の先はどうなっているだろうと考えちゃったりとか。 - 岩田
- (笑)
- 下村
- どうでもいいことなのかもしれないんですけど、
でもすごく刺激される世界観なんですよね。 - 岩田
- 考えずにいられなくなるんですね。
- 下村
- そうなんです(笑)。
さらにシナリオを読ませていただいても、
心にすごく訴えてくるものがありましたので、
そこで感じたことや、大きなスケールに負けないよう、
「これは絶対に耳にも訴えかけなきゃ!」と
すごく気合いが入りました。
なので、いろんなところで、それぞれの方に
響くようなゲームになったんじゃないかと思っています。
- 岩田
- ありがとうございました。
それでは最後に高橋さん、お願いします。 - 高橋
- 今回、音楽に関しては、
自分にとってはひとつのゴールといいますか、
必ずここまで到達したいという想いを持っていて、
それを実現するために、申し訳ないと思いつつも、
「ここはもう1回つくり直してほしい」などと
ときにはかなりキツイ言い方をしてきました。
でも、ここにいる6人のみなさんは、
そんなわたしの勝手な想いに応えてくれて、
めざすゴールに一丸となって走っていただいたと感じています。
先ほど、曲を編集した話をしましたが、
それをやること自体がすごく楽しかったんです。
この曲は回想シーンにしようとか、
こっちの曲はバトル、みたいに
1曲1曲を選んでつけるのが本当に楽しかったんです。
- 岩田
- そのように高橋さんが楽しみながら曲の編集をしたことは、
実際に遊んでくださるお客さんたちにも自然と伝わるんでしょうね。 - 高橋
- そうなるよう願っています。
今回、早期購入者特典として
「スペシャルサウンドトラックCD」がつきますし、
ゲームはもちろんですが、
音楽だけでもお楽しみいただければうれしいです。
選りすぐりの12曲を収録したCDになっていますし、
それぞれのみなさんがつくった曲が入っていますので。 収録曲の一部がご視聴いただけます。
下村陽子さん作曲
清田愛未さん作曲
ACE+さん作曲
- 光田
- ちなみに、エピローグの「Beyond the Sky」の
作詞をしたのは高橋さんなんです。 - 岩田
- ここにいる全員の、汗と涙と熱い想いが
そのCDにたっぷり詰まっているということなんですね。
わたしもゲーム音楽の大事さについては
これまでいろんな話を訊いてきましたけど、
今日、みなさんの話を訊いて、
もともと方向が同じじゃなかっただけに
ひとつのチームとしてまとまっていく過程が
すごく面白かったですし、とても豊かな感じがしました。
もちろん途中では、いろんなツライこともあったでしょうけど、
みなさんのお顔を拝見していると、
「大変だったけど、充実した仕事でした」
という感じがすごくします。
今日は本当にありがとうございました。
- 一同
- こちらこそありがとうございました。
- 岩田
- もう言い足りないことはありませんか?
- ともり
- あの・・・僕としては、高橋さんが書いたファーストメールを
機会があれば見せていたただきたいなと。 - CHiCO
- そんな恐いことを(笑)。
- 下村
- わたしも。見てみたい・・・。
- 岩田
- 終わったいまだと、安心して見られますしね(笑)。
高橋さん、どうですか? - 高橋
- いや・・・すみません、できれば逃げたいです。
- 一同
- (笑)