The Wonderful 101
1. 集まることで生まれる力
2. 「変えないとダメだ」
3. つくってはつぶす
4. 「入ったほうがプラスになる」
5. ワンダ・ディレクター
6. 「怖がらないで、飛び込んで」
6. 「怖がらないで、飛び込んで」
- 岩田
- ではそろそろ最後に、
みなさんからメッセージをお願いします。
では、山上さんから。 - 山上
- プラチナゲームズさんのゲームというと、
ハードでちょっと難しいという印象が
あると思うんですね。
でも今回はあまりアクションが
得意でない方に向けても十分楽しめるような、
任天堂チューニングを行っています。
「プラチナゲームズのゲームって、
ちょっとハードル高そうだな~」
と思って様子を見ている方がいらっしゃったら、
その心配はまったくありませんので、
ぜひ手にとって、多彩なユナイト・モーフを
楽しんでいただきたいなあと思います。
- 岩田
- 一方で「オレは腕に自信があるぞ」
という方にも満足いただけるような
歯ごたえあるモードも
あるんですよね。 - 山上
- そうですね。“神谷からの挑戦状”とも言うべき、
ものすごいモードも用意されています。
どれほどすごいかというと、
マリオクラブのスーパーデバッガーと、
神谷さんしかクリアできないような・・・。 - 稲葉
- いや、神谷はクリアできないです。
- 松下
- あまりに難しかったので、神谷さんに
「デバッグ協力してください」とお願いを
したんですけども、「無理です」と・・・。 - 一同
- (笑)
- 山上
- まあそれぐらい、難易度の高いものまで、
幅広く用意しています。
あとはそれ以外にもステージの途中で、
「ちょっと難しいな」とか「簡単すぎる」と
感じたら、ステージごとに
難易度を変えられる機能もあります。
そういった部分も含めて、とにかく快適に
遊べるようにつくってますので、安心してください。 - 岩田
- 「怖がらないでいいですよ。
でもただヌルくしたんじゃないよ」
というメッセージですね。
では、松下さん。 - 松下
- プラチナゲームズさん、とくに神谷さんは、
サービス精神がすごく旺盛だと思うんです。
このゲームはもう本当にびっくりするくらい、
いろんな遊びが詰まっています。
某任天堂タイトルの遊びが
詰まってるようなステージがあります。 - 山上
- はい、はい(笑)。
- 稲葉・神谷
- ははは(笑)。
- 松下
- あとこのゲームは、最大5人で協力して遊べる
マルチプレイモードがあります。
友達や兄弟で集まって遊ぶと
またちがった楽しさが発見できますので、
買っていただいた方にはぜひ、
まわりの方を誘っていただいて、
一緒に遊んでほしいなと思っています。
- 岩田
- そうですね、マルチプレイもぜひ。
稲葉さん、開発を通して見て、
今回は神谷さんの何が発揮されたゲームですか? - 稲葉
- うーん、なんでしょうね・・・。
でも、いつもどおりじゃないですか。
ワガママ大全開で、
みんなが毎回そこにのっちゃうんです。 - 岩田
- 目に浮かびますね。みんなが振り回されて
口々に文句も言いながらも、
でもみんな笑顔な感じがすごくするんです(笑)。
そして「こうきたか」という驚きが、
いつでもある人なんですね。 - 稲葉
- 今回はそんな神谷の欲望というか、
やりたいことが、本当にギッシリ
詰まっている気がします。
この『101』は本当に世に出したかったし、
いつ頓挫してもおかしくない状況が続いたので、
ここまでくることができたことは、
自分的にもとても、胸が熱くなる思いがあります。
- 神谷
- 僕も、この最初の企画書からの
紆余曲折を考えると、本当に・・・。 - 稲葉
- いや、最初の企画書を指さしても出せないから。
- 一同
- (笑)
- 岩田
- はい。では、最後に神谷さん。
『101』でご自身から
お客さんにお伝えしておきたいことを、ぜひ。 - 神谷
- いちばん伝えたいことは、
さきほど山上さんがおっしゃった言葉ですけど、
「怖がらないで」ということですよね。
とくにこのゲームはほかに似たゲームがないので、
おもしろさがイメージしづらいと思うんです。 - 岩田
- そう、似たゲームがないんですよね。
- 神谷
- だから、ちょっと興味を持つ機会があっても、
結局「どういうゲームかわかんないよね」って、
終わってしまう人が多いと思うんです。
でもそこで「おもしろいかも」と、
感じられるものがあったら、自分の好奇心を信じて
飛び込んできてほしいと、強く思います。
“一期一会のゲーム”というか、
僕自身の経験の中でも“心の一本”として、
「あのとき遊んでいてよかった」と思うゲームが
たくさんあるんですけれど、そんな一本に
きっとなれるんじゃないかと思っています。
- 山上
- そういう意味では、
物語もかなり濃くて熱いですよね。
自分でプレイして味わってもらいたいこともあって
今日はあまり深くは語れませんでしたが。 - 岩田
- 物語も、神谷さんの中から出てくるんですか?
- 神谷
- そうですね。今回はヒーローものなので、
僕の中二脳(※19)をフル回転させて、
とにかく燃えるストーリーをつくりました。
どのゲームよりも熱くなれると思います。
そこは遊んでみてのお楽しみ、ということで。
中二脳=ここでは、“中二病”にかかった思考を意味する。中二病とは、中学2年生頃の思春期に見られる背伸びしがちな言動や、アニメやコミックなどで起こる非現実的な妄想をすること。
- 岩田
- はい。今回の「社長が訊く」で、
なによりわたしは、
神谷さんがどのようにものをつくる方なのか、
お訊きすることができて、
すごくおもしろかったです。 - 神谷
- いきあたりばったりですけどね(笑)。
- 岩田
- そして、この『101』というゲームは、
「プラチナゲームズさんと任天堂が
一緒になることで生まれたんだな」
ということを、とても強く感じられました。
ほかに類を見ない個性的なエネルギーが、
ものすごく注ぎ込まれてるんですね。
それは映像をご覧になった方も
きっと感じられることだと思うんです。
ただそれは一方で、
見たことがないものというのは
怖がったり、ためらったりされるケースも
非常に多いと思うんですね。
だからわたしからも、そんな方たちに
「直感的な何かを感じてもらえたら、
ぜひ飛び込んできてください」
ということをお伝えしていきたいです。
先日から、体験版(※20)も公開していますので、
まずは、ぜひ試してみてほしいですね。
体験版=『The Wonderful 101』の体験版は、Wii Uのニンテンドーeショップで配信中。
- 神谷
- 岩田さん、最後にもうひとつ、
シナリオのことで大事な話を忘れていました。
話してもいいでしょうか? - 岩田
- はい、どうぞ。
- 神谷
- このゲームのタイトルなんですけど、
最初は『The Wonderful 100』で、
それが『The Wonderful 101』になったんですね。
これは山上さんから「1を足したらどうですか」って
提案されたことを受けて、決めたものなんです。 - 岩田
- あっ、そうだったんですか。
- 山上
- はい。わたしは最初、タイトルを聞いたとき
「100だとスッと流れて、印象に残らないな」
と思ったんですが、プラチナゲームズさん的には、
100に強いこだわりを持っておられたんですね。
そこで逆のアプローチとして、
「101ではどうですか?」と提案したんです。 - 神谷
- その話を聞いたときに、頭の中で、
「これはシナリオにも活かせる」って
ひらめいたんです。
最初のプロモーション映像でもお見せした、
100が101に変わる演出も
そうなんですけど、シナリオに対する
アプローチとかっちり合致したんで、
僕もその場で納得したんです。
何というか、スッと腑に落ちたんですね。
あれは僕の中でも不思議と、心に残る瞬間でした。 - 山上
- 神谷さんが、「101」というキーワードを
本当にうまくシナリオに
取り入れてくださったんですね。
わたしもいまその時のことを思い出して、
鳥肌がたっています。
その時にすごく「ああ、かみ合った!」と
感じたんです。
提案をしあうことで生まれるこの感覚は、
こういった仕事をしている中で
なによりうれしい瞬間ですね。 - 岩田
- 今回の神谷さんのお話の中で何度もあった
「その時あいつがこうつぶやいたんです」とか
「動いていたのを見たんですよ」ということと
ぜんぶ一緒なんですよね。
山上さんの一期一会を
うまくつかまえてくれたわけですよね。 - 山上
- そうですね、本当に。
- 神谷
- そういう意味でこのエピソードは、
「やっぱりゲームはチームでつくるもの」
ということをあらためて実感した瞬間でした。 - 山上
- この『101』も、チームのゲームですからね。
- 岩田
- そのとおりですね。
みなさん、今日はありがとうございました。 - 一同
- ありがとうございました。