ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
1. 「寝っ転がってレベルアップ」
2. 世代を超えて
3. 「人とちがったことがしたい」
4. 「その向こう側に意思がある」
5. 「大型アップデートは最大のお祭りである」
6. 遊びの環境の幅
6. 遊びの環境の幅
- 岩田
- そろそろ最後になりますが
Wii U版『ドラゴンクエストX』の発売に際して、
興味を持っているみなさんへ
おふたりからメッセージをいただけますか? - 藤澤
- はい、では僕から。
Wii版を発売してつくづく思うのは、
どんなに僕たちが言葉を尽くして
「怖くないですよ、おもしろいですよ」と伝えても
身近な家族や友人からの
「おもしろいから一緒にやろう」という一言には
かなわないなあ、ということです。
- 岩田
- はい(笑)。
- 藤澤
- いま『X』を遊んでくれているみなさんは、
いちばんの理解者であり、
心強い味方ですから、そういう方をひとりでも増やし、
その輪を広げていくことが、
最終的にいちばんのアピールにつながると思います。
なので、実直に、真剣に、コツコツやっていくことがすべてで、
そこに尽きるかなと思っています。
これは本当に、ウラ技や近道はないんです。 - 齊藤
- ある意味、25年以上前に
いちばん最初の『ドラゴンクエスト』が出た時も
きっと近い状況だったんじゃないかなと思うんです。
日本でまだRPGを知っている人が少なくて、
「RPGは難しそう」という誤解があったところを、
遊んだ方たちの「おもしろい」という声で
くつがえしたのが、
『ドラゴンクエスト』の歴史だったわけで。 - 岩田
- 「おもしろい」という一言が連鎖して、
一気に広がっていったんですよね。 - 齊藤
- そうですね。そういう意味では、
いま『ドラゴンクエストX』には
当時にはなかったネットをはじめとする
さまざまな伝達手段が豊富に用意されています。
それこそMiiverseも新しい伝達の手段ですし、
チャンスはたくさんあるんです。 - 岩田
- はい。そうですね。
- 齊藤
- ですから、つくったら終わりではなくて、
遊んでいただいているみなさんに
「またおもしろくなったね」と、
言ってもらえることをめざして
努力を惜しまずやり続けることが、
結果につながっていくことだと思います。 - 藤澤
- 僕からも、もう一言いいですか?
- 岩田
- もちろんです。
- 藤澤
- 日本国内に限らず、
世界中でいくつも例があることですが、
オンラインゲームは、
開発に長い時間をかけても、
運営フェーズでつまずけば成功できない
舵取りがとても難しいプロジェクトです。
でも『X』は、船出から7か月という時間を経て
なんとかいま、安定運行と言っていい段階に入ることができました。
ここまで来られたのは、本当に
遊び続けてくれたプレイヤーのみなさんのおかげです。
そういった方を裏切らないように、
今後もしっかり、やっていきたいと思っています。 - 岩田
- この『ドラゴンクエストX』は
Wii版のサービス前、そして7か月を経過し
新たにWii U版が加わるこのタイミングと、
2度にわたってお訊きするタイトルとなりました。
今日のお話を訊いていてわたしは、このゲームが
MMORPGというジャンルの概念を変え、
ごく軽く短時間で楽しめる遊びから、
じっくり長時間やりこむ遊びまで、
遊ぶ人のライフスタイルに合わせて楽しめる、
ダイナミックレンジのより広いゲームに
なったように感じました。
そしてWii Uは、
Wii U GamePadを用いることでテレビを専有せず、
気軽にオンラインを楽しむ手助けをしてくれる、
相性の良いものになっていると思います。
もちろん、ここぞというクライマックスでは、
家のいちばん良いテレビで、迫力あるHDの画と
臨場感たっぷりのオーケストラが楽しめます。
そういう意味でWii Uは、
現実のハードの側面から遊びの環境の幅を広げ、
Miiverseとの連携の可能性も含めて
Wii以上にいろいろとできることが
あるんじゃないかとも、思っています。 - 藤澤
- そういう意味でいうと、ゲームのほうが
プレイヤーのライフスタイルに寄り添っていく
必要がある時代だと思います。 - 岩田
- そうですよね。
ゲームに合わせてもらう時代ではないですから。 - 齊藤
- あと、わたしからもうひとつだけ。
あまり説得力がないかもしれないんですが、
みなさん、もう少しだけ
ゆっくり遊んでもらえたらなぁ、と。
- 一同
- (笑)
- 齊藤
- 大型アップデートのたびに、
みなさんゲートが開いた瞬間、
全力疾走で殺到してくるような感じなんです。 - 岩田
- 「急がなくても、何も逃げませんよ」
ということですよね(笑)。 - 藤澤
- でもまあ、それもひとつの
楽しみかたのひとつではありますよね。
とにかく「誰よりも先に楽しみたい」という。 - 岩田
- それを言うなら、
「クラスでいちばん最初に解くぞ!」って、
みんな睡眠時間を削って遊んできたのが、
『ドラゴンクエスト』の歴史でもありますからね。 - 齊藤
- そうですね。
もちろんそれはそれでいいんです。
ただわたしが言いたいのは
「周りがそうだから、自分も
そうしないとダメということはない」
ということなんですね。 - 岩田
- ああ、たしかに。
- 藤澤
- ただ、最初の頃よりもだいぶ
減ってはきていますよね。
遊びの幅も増やすことができたので、
いまはけっこうまったり、みんなそれぞれの楽しみを
見つけられている気がしてます。 - 齊藤
- だから「お花にお水をあげるだけでいいんです」
という遊びかたを言えるようになったのが、
すごくうれしいんです(笑)。 - 岩田
- はい(笑)。
「初心は忘れず、中身は充実」ですね。
来年の今頃はどうなっているか、楽しみです。 - 齊藤・藤澤
- そうですね。楽しみです。
- 岩田
- これからまだまだ、
新たに『ドラゴンクエストX』の世界へと
入っていく方が増えると思います。
そこでは昔『ドラゴンクエスト』第1作が
日本でRPGを大衆化させたように、
これから『ドラゴンクエストX』が
日本のオンラインゲームに対する誤解や偏った見方を
塗り替えていく未来が、
きっと開かれていることと思います。
- 齊藤・藤澤
- はい、がんばります。
- 岩田
- ありがとうございました。