『スーパーマリオ 3Dワールド』
1. 「全部入れよう」
2. 「機能が先」
3. 「生理的に心地いい」
4. 時間が解決したこと
5. マルチプレイの原点
6. 「『3Dワールド』でないと意味がない」
7. 3Dマリオの集大成
4. 時間が解決したこと
- 小泉
- 「カワイイ」の話で思い出したんですけど、
キノピオはもともと見た目が地味だったんですが、
今回、ネコ耳になると見た目のバランスもかわいくなるし、
ダッシュも速くて使えるので、
すごく魅力的なキャラクターになった1人なんです。 - 岩田
- はい。こんな言いかたをすると
ファンの方には失礼かもしれませんが、
キノピオは意外にも人気があるキャラクターですよね。 - 小泉
- はい。そんなキノピオをフィーチャーする遊びも
今回入っていて・・・。 - 林田
- 『マリオギャラクシー』から引き続いて、
「ツッタカター、ツッタカター♪」の
キノピオ隊長が登場するゲーム、
「キノピオ隊長の冒険」ですね。 - 岩田
- それはどんな遊びなんですか?
- 林田
- Wii UのWii U GamePadのジャイロカメラを使って、
隊長を移動させながら、そのコースにある
5つのグリーンスターを集める
パズルゲームのような遊びになっています。
これは、自分でカメラを操作するという
3Dマリオらしい遊びを
お客さんに体験してもらいたかったんです。 - 岩田
- 3Dマリオの楽しさへ、お客さんを誘うわけですね。
- 林田
- はい。ちなみに、
今回の隊長はリュックを背負って
重くてジャンプできないので、
クリボーのような敵ですらいきなり強敵に豹変するんです。
- 岩田
- 踏めないじゃないですか(笑)。
- 林田
- そうですね、避けないといけない。
そこが意外に、新鮮でおもしろいんですよ。 - 宮本
- あれは、完成する前に提案されたら、
「ジャンプできないなんてダメ」って
言ってたかもしれませんね。
マリオの中ではあきらかに異質ですから。 - 岩田
- たしかに。
- 宮本
- でもこれも「おもしろいからいいか」と
思ったんですね。
「全編通してマリオらしいデザインを」って
かたくなになってしまうと、
けっこう飽きてしまうところもあるので。 - 岩田
- でもそこは『マリオギャラクシー』の時から、
世の中に受け入れられて、広がった感はありますよ。 - 宮本
- それで今回は、コースもだいぶ
これまでのものとは毛色の変わったものが、
中盤あたりからちょこちょこ出てきます。 - 林田
- そうですね。和風のコースとか、
『マリオカート』(※16)風のコースとか・・・。
『マリオカート』=最新作は2011年12月に発売されたニンテンドー3DS用レースゲーム『マリオカート7』。
- 岩田
- 和風のコースですか?
- 林田
- タタミや障子(しょうじ)がありまして、
Wii U GamePadの画面をタッチして
障子を開けていきます。 - 岩田
- ははは(笑)。
- 元倉
- コースの制作者がそれをやりたくて、
つくりはじめたコースです(笑)。 - 宮本
- 和風なのに中華風の銅鑼(どら)があるんです。
「外国から見たまちがった日本」みたいな感じで、
なんか怪しげなんですよ。 - 岩田
- まあ、日本人が普通につくってしまうと、
単にローカルなものになってしまいますからね。
もうひとつの『マリオカート』風コースは
どんな感じなんですか? - 元倉
- あれは最初、ダッシュパネルを設置していて、
最終的にコースとして整えるときに、
「モチーフをどうしようか」
という話になって、せっかくなら・・・。 - 岩田
- 「『マリオカート』にしちゃえ」と?
- 元倉
- はい。いただいてしまいました。
共感のためです(笑)。 - 宮本
- 遊んでると「これ『マリオカート』だっけ?」って
なりますよね。BGMまで同じだから。 - 岩田
- BGMも借りてきたんですか。
まあ、同じ会社ではありますけれど(笑)。 - 林田
- はい(笑)。そういう遊びはこれまでは
エンディング後がいいかなと思っていたんですが、
今回はけっこう前面に出していこうと。 - 岩田
- じゃあ、エンディング後のお楽しみは
別にちゃんとあるわけですね。 - 林田
- そうですね。今回はロゼッタ(※17)が
エンディング後にプレイヤーキャラクターとして
使えるようになります。
ロゼッタ=『スーパーマリオギャラクシー』シリーズに登場している女性キャラクター。
- 岩田
- へえー! あのロゼッタですか。
誰が強く、ロゼッタを推したんですか? - 小泉
- いや、たぶん僕だと思われるんでしょうけど(笑)。
これは元倉さんが「入れたいです」って
僕のところに来たんですよ。 - 岩田
- 元倉さん、なぜロゼッタを?
- 元倉
- やっぱりエンディング後のお楽しみに、
「どんなことが喜ばれるかな」と考えたときに、
ピーチのほかに
女性キャラクターをもう1人増やしたいなと
思っていたんですね。
そこでロゼッタなら『マリオギャラクシー』ファンの
方々から支持もありますし、
最近は『マリオカート』にも登場していて、
知名度的にも申し分ないかな、と。
- 宮本
- 『マリオギャラクシー』に最初出たときは、
「ピーチがいるのになぜロゼッタがいるのか」
って、僕はちょっとこだわってたんです。
それで「『マリオギャラクシー』の中だけなら」ということで、
ちょっと大きくて、とか設定してたんですけど、
いつの間にか『マリオカート』の重量級キャラとして
レギュラーキャラになって、サイズも普通に・・・。 - 岩田
- ああ、「時間が解決する」って、
こういうことを言うんですね。 - 宮本
- いま思えば「何にこだわってたんやろ」って。
未熟でした(笑)。 - 林田
- 今回のロゼッタは、スピン攻撃という
特殊な能力があるので、
普通に使っても強く
楽に進めるキャラクターになっています。 - 岩田
- ゲームクリア後の探索に、オススメですか?
- 林田
- はい。ただしネコに変身すると
スピン攻撃はなくなってしまいます。 - 岩田
- えっ、変身するとむしろ能力が落ちちゃうんですか?
- 林田
- そうなんです。でもネコに変身すると
ちょっとおもしろいキャラクターになってます。
黒ネコになるんですけど。 - 岩田
- なんと、まあ・・・。
- 元倉
- 小泉さんから「黒じゃないとね」という
要望がありまして。 - 岩田
- やっぱり、小泉さんじゃないですか。
- 一同
- (笑)