ゲーム&ワリオ
1. 「もっと乱れろ」
2. 便利でズルい入れ物
3. エネルギーをかけた16種類のゲーム
4. “オールスター応援状態”
5. 『ゲーマー』
6. 『メイドインワリオ』シリーズの集大成
6. 『メイドインワリオ』シリーズの集大成
- 岩田
- 『ゲーム&ワリオ』というタイトルは
スッとまとまりましたか? - 阿部
- まず『メイドインワリオ』というタイトルは、
今回は使わないでおこうと。
これまでのような「瞬間アクション」ではありませんので、
誤解を招いてはよくないということで。
だけど、『メイドインワリオ』に近い響きであったり、
ワリオがつくった感じが出るもの、ということで、
いろいろ検討して、最初は
『ゲーム オブ ザ ワリオ』という名前を考えていました。 - 坂本
- そしたらNOA(Nintendo of America)の人が
『ゲーム&ワリオ』というタイトルを
提案してくれたんです。 - 阿部
- これはむかしの携帯ゲーム機である
「ゲーム&ウオッチ」(※16)をもじっているんですけど、
「WATCH」の頭文字が「W」で、
「WARIO」も同じ「W」なので
ロゴ的にもいい感じになるだろうと思いました。
「ゲーム&ウオッチ」=1980年から1991年まで発売された“1ハード1ソフト”の携帯型液晶ゲーム機。1作目の『ボール』は1980年4月、『シェフ』は1981年9月に発売された。くわしくは、社長が訊く「ゲーム&ウオッチ」を参照。
- 坂本
- それに、いい意味で変な響きがありますし、
それをネイティブの人が提案してくれているんだから、
「これでええんちゃうの」と。 - 阿部
- もともと『メイドインワリオ』は
「メイドインジャパン」にかけたんですけど、
英語的には間違っていましたし。 - 岩田
- そう。間違っていましたね。
だから、そのままじゃダメだということで、
海外では『WarioWare, Inc.』という名前にしたんですよね。 - 坂本
- でも今回は、海外から言ってきましたし(笑)。
- 阿部
- なので、今回は世界共通のタイトルになりました。
- 坂本
- それに16種類のゲームのタイトルも
「ゲーム&ウオッチ」っぽくしようと。 - 岩田
- ああ、だから1個1個のゲームの名前が
あんなにあっさりしているんですね。 - 阿部
- そうなんです。
「ゲーム&ウオッチ」には
『ボール』とか『シェフ』みたいなタイトルが
多かったので。 - 岩田
- それで、『スキー』とか『アイランド』
みたいなタイトルなんですね。 - 阿部
- 本当は『ゲーマー』も『MOTHER』にしたかったんですけど。
- 岩田
- ああ、お母さんが出てくるから・・・。
- 阿部
- はい(笑)。
- 岩田
- あと、Miiverse(ミーバース)(※17)のことも
訊きたいんですが。
Miiverse(ミーバース)=Miiを通じて世界中の人たちがつながる、Wii Uにシステムレベルで統合された、ゲームをもっと楽しむためのネットワークサービス。好きなゲームソフトの広場で感想を述べあったり、手描きの絵やコメントを書き込んだりしながら交流できる。
- 阿部
- はい。もともとこのゲームには
いろんなところにツッコミどころがありますので、
「これは!」という画面を見つけたら、
それをスクリーンキャプチャーして、
ちょこっとコメントを書くと
すごくおもしろかったりするんです。 - 森
- マリオクラブ(※18)のデバッガーの人たちが
そうやって楽しんでいましたよね。
マリオクラブ=マリオクラブ株式会社。任天堂の開発中ソフトのデバッグやテストプレイを行う。
- 阿部
- 僕も、「このシーンを撮って、
こんなコメントを書くとおもしろいんだ」ってことが
デバッグのときに気づいたんです。
今回は、Miiverseで書き込みをしたくなるような仕掛けが、
ゲームの中のあちこちにありますので、
それに気がついたプレイヤーのみなさんが
どんどん投稿してくれると、うれしいですね。 - 森
- きっと盛り上がると思います。
- 阿部
- あと、『ミーバースケッチ』というゲームが
16種類のゲームとは別にあります。
これは、自分が好きなお題を4つの候補から選んで、
絵を描くというものなんですけど、制限時間は1分なんです。 - 岩田
- 時間が短いので、資料を探すことも、
見ることもできないんですね。 - 阿部
- はい。だから、自分の頭にあるイメージで
パッと描くしかないんですけど、
描いたら作品コミュニティのほうに
自動的に投稿されるようになっているんです。
ですから、いまのMiiverseには
すごくうまい絵がたくさん並んでいますけど、
たぶんそこだけはカオスのようになるかなと(笑)。 - 森
- それも楽しみですよね(笑)。
- 阿部
- 実際マリオクラブのデバッグでも、
けっこうカオスのような絵が
たくさん並んでいるのを見ることができましたし・・・。 - 森
- たとえば「ツタンカーメン」のお題では、
まるで仏像のように合掌しているとか(笑)。 - 一同
- (笑)
- 阿部
- 実際は(胸の前で手をクロスさせて)
こうなんですけどね(笑)。
そのお題自体もみんなで考えてもらえるので、
わたしたちとしても楽しみにしています。 - 岩田
- はい。では最後に、
お客さんへのメッセージをお願いします。 - 森
- 今回はボリュームが盛りだくさんなので、
けっこうたっぷり遊べると思います。 - 岩田
- 丸2年、走りきりましたからね。
- 森
- はい。ひとりでもじっくり遊べますし、
人数が集まったときも、
パーティアイテムとして使えると思いますので、
ぜひぜひがんばって、
「シャカポン」のコンプリートを、
みんなで狙ってみてください。
- 岩田
- 全240個ですね。
- 森
- はい。
- 阿部
- じつは・・・240個をそろえると、
ちょっとすごいことが・・・。 - 森
- はい。さらに続きがあるんです。
- 阿部
- ちょっとビックリしますよ。
- 岩田
- あの・・・終盤に助っ人をたのんだくらいなので、
本来、そこまでつくり込む時間は
なかったはずなんですけど(笑)。 - 一同
- (笑)
- 岩田
- でも、その構造が『メイドインワリオ』なんですね。
- 坂本
- そうですね。
- 岩田
- 阿部さんは?
- 阿部
- じつは、初代の『メイドインワリオ』が出て、
今年(2013年)の3月21日に
ちょうど10周年を迎えました。
でも、このゲームをつくっている間は、
「『ゲーム&ワリオ』を発売する時は、
まだ10周年にはなっていないよね」
みたいな話をしていたんです(笑)。 - 岩田
- でも10周年は過ぎてしまいました(笑)。
- 阿部
- そんなはずじゃなかったんですが(笑)。
やはり今回は『メイドインワリオ』ではなく、
ある意味、ゼロからつくりましたので・・・。 - 岩田
- フォーマットからつくりなおしましたからね。
- 阿部
- はい。こんなに遊びを考えて、
バランスをとって、しかも16個もつくって、
というのは、自分にとってははじめての経験で、
本当にそういう意味では、この2年間、
「『メイドインワリオ』シリーズの集大成にする」
というような気持ちでつくってきました。
ですから、たくさんの人に遊んでいただきたいですし、
Miiverseでも、いろんな仕掛けを考えていますので、
そこでも盛り上がっていただけたらと思っています。
- 坂本
- さっきの話にもありましたように、
企画開発部の専門家がすごく助けてくれて、
自分たちの持っているノウハウを
注ぎ込んでくれたゲームの集合体なので、
内容的にもすごく満足していただけると思います。
それに、家族や友達と遊んでいただくときは、
「僕はこれがいちばん得意やから、
これで一生懸命遊ぶよ」みたいに
偏食しながらでもいいので、
どんどんやり込んでいって遊んでいただくのも、
ひとつの楽しみかたかなと思っています。
あとは、ちょっとしつこいですけど、
『ゲーマー』で震え上がっていただいて・・・。 - 岩田
- はい(笑)。
- 坂本
- で、『ゲーマー』に疲れたら、
『スキー』のお姉さんを引き連れて・・・!
- 一同
- (笑)
- 坂本
- まあ、いろいろな楽しみかたがありますので・・・。
- 岩田
- いろいろな楽しみかたがあると言いながら、
自分の楽しみかたを
ものすごくオススメする坂本さんでした(笑)。 - 坂本
- はい(笑)。
- 岩田
- わたしも家に製品版がやってきたら、
お姉さんをたくさん引き連れて、滑れるかどうか、
試してみたいと思います。 - 一同
- (笑)
- 岩田
- 今日はみなさん、お疲れ様でした。
- 一同
- ありがとうございました。