『Wii U』 New スーパーマリオブラザーズ U篇
1. 「何を新しくするの?」
2. 「もったいない」
3. “ノーバディプレイ”
4. マップをひとつに
5. 手元で投稿を読む
6. 「いろんなものをタッチしてほしい」
6. 「いろんなものをタッチしてほしい」
- 岩田
- 今回は4人同時プレイ、
バディも含めると、最大5人までが
同時に楽しめるようになりましたけど、
シリーズでは史上はじめて、
Miiで遊べるようになりましたよね。 - 竹本
- じつは前回のWii版でやっていたときも、
試しにMiiを動かしたことがあったんです。
でも、服の色でしか見分けがつかなくて・・・。 - 足助
- そのときの僕と竹本さんのMii、
どっちが自分なのかわからなかったんです。 - 岩田
- こんなに違う顔なのにですか?
- 一同
- (笑)
- 竹本
- でも今回は、HD()になったWii Uで試してみたら、
画面が広がったときに
Miiのキャラがけっこうちっちゃくなっても、
表情の違いまでわかるようになりました。(※14)
HD=High Definition(ハイデフィニション)の略。テレビなどにおける高解像度(高精細、高画質)のこと。映像のピクセル数が多く、720本以上の走査線数を保持し、かつアスペクト比が16:9であることが条件。高解像度の映像を扱う地上波デジタル、BSデジタルなどのテレビジョン放送をHDTVと呼ぶ。
- 足助
- HDになったおかげで、
マリオがまばたきしていることまで
はっきりわかりますしね。 - 岩田
- Wiiのときから、マリオはまばたきしていたそうですね。
ほとんどの方が、気づくこともなかったみたいですが。 - 竹本
- ただ、ストーリーモードでMiiを出してしまうと、
マリオの動きをしているのに、
マリオを遊んでいる気がしないんです。 - 岩田
- 『マリオ』のゲームではなくなってしまうんですね。
- 竹本
- そうなんです。
そこで、ストーリーモードでは
いつものマリオたちでプレイすることにして、
Miiでプレイするときは
「With Mii Mode」という分類にして、
「おだいモード」と「ブーストモード」と
「コインバトル」の3つのモードで
遊べるようにしました。 - 岩田
- 「主役がマリオであることは変えない」
ということですね。
やっぱり、マルチプレイをMiiで遊ぶと、
けっこう盛り上がるんでしょうね。 - 足助
- そうですね。
ファイアボールが自分に当たると、
「痛っ!」とか思わず声が出たりしますし。 - 岩田
- ああ、Miiは“自分の分身”
という思いが強くなるんですね。 - 竹本
- はい。それに、前作のときは
「ルイージは誰だっけ?」みたいに
頭のなかが混乱することがありましたけど、
今回は明らかに足助さんのMiiですから、
「足助さんだけには勝たさへん」
みたいなことも起こります(笑)。 - 一同
- (笑)
- 竹本
- 本当に人と遊んでいる感じが
今回はとくに出せたように思いますね。 - 岩田
- ところで・・・手塚さん?
- 手塚
- あ、はい?
- 岩田
- 今日はオブザーバーとして
手塚さんにも同席していただいているのですが、
手塚さんがやりたかったことは、
今回、できた気がしますか? - 手塚
- えーと、そうですね。
「幅広い人たちに楽しんでいただけるゲームになった」
という手ごたえを強く感じています。
それにマルチプレイも、Wii版のときとは
「違う楽しみかたができるんじゃないか」と思います。
多人数で遊ぶときは、
ふつう「声が出る」ものですけど、
今回は「声をかけ合う」ことが必須になるんです。 - 岩田
- 「声が出る」のと「声をかけ合う」のとでは、
似ているようで、ぜんぜん違いますよね。 - 手塚
- 「マルチプレイがより楽しくなった」と思います。
- 岩田
- わかりました。
では最後に、お客さんへの
オススメのメッセージをお願いします。 - 足助
- 今回はマップがつながったことで、
大きい地図をいつでも歩いて
行き来することができるようになりましたけど、
そのマップ上では、ちびヨッシーを仲間にしたり、
アイテムを手に入れることができたり、
敵がいて、歩くのをジャマしてきたりと、
マップを歩くだけでも
いろんな発見があると思います。 - 岩田
- ただ移動するじゃなくて、
マップも遊びになっているんですね。 - 足助
- はい。さらに『Miiverse』のコメントを読みながら
遊ぶこともできますので、
ぜひ「マップを楽しんでほしい」と思っています。
- 岩本
- 僕は今回、『マリオ』の開発にかかわるのは、
『スーパーマリオ64』()以来なんです。
ですから『マリオ』というゲームのメインは
「ストーリーモード」と思っていたんですけど、
今回、それ以外のモードがすごく充実していますので、
「それぞれの楽しみかたを見つけてほしい」、
そう思っています。(※15)
『スーパーマリオ64』=1996年6月に、NINTENDO64と同時に発売された、マリオ初の3Dアクションゲーム。
- 岩田
- いろんな人が楽しめる
「“遊び場”を用意できました」
ということなんですね。 - 岩本
- そうですね。
- 手塚
- それから、今回は「追加コース」も考えていますし。
- 岩田
- 3DSの『Newマリオ2』と同じような
「追加コース」のことですね。 - 手塚
- そうです。
でも、今回は『Newマリオ2』とはまた違ったかたちで
みなさんに遊んでいただけるようにしようと思っています。
ただ・・・まだ何もつくってないんですけど(笑)。 - 岩田
- はい、事前につくったものをあとから配信するんじゃなくて、
これから決めるんですよね。 - 手塚
- はい。コースを追加できる仕組みはすでに組み込んでいるので、
どのような内容になるのかは、これからのお楽しみということで・・・。 - 岩田
- はい、わかりました。
では、竹本さん。 - 竹本
- 僕は今回、たくさんの人たちに苦労をかけながらも、
自分の入れたかったことを実現できたことに
とても満足しています。
とくに「バディプレイ」のモードは、
ゲームに苦手意識のある人でも
楽しめるようにつくったつもりです。 - 岩田
- Wii U GamePadだと、
複雑なボタン操作は不要で、
タッチするだけで楽しめますからね。 - 竹本
- はい。なので、いろんなものに
タッチして遊んでほしいです。 - 岩田
- ブロックが置けるだけじゃないんですよね。
- 竹本
- そうです。
タッチすると動いている仕掛けが止まったり、
パックンフラワーが引っ込んだり、
ノコノコがポコッとひっくり返ったりしますので、
いろんなものをタッチすることで
その反応を楽しんでほしいですね。
- 岩田
- 言葉が理解できないような
小さなお子さんも、今回は楽しめますね。 - 竹本
- はい、大丈夫です(笑)。
- 岩田
- わたしは、今日のお話を訊いていて、
「いろんな要素のピースが、ピッタリときれいにハマって、
しかも、ボリュームたっぷりのゲームになった」
という印象なんですが、
手塚さん、これは計算どおりなんですか? - 手塚
- そうです、バッチリです。
- 一同
- (笑)
- 岩田
- ただ、「計算どおり」とは言っても、
最初に計算して、思ったように実現するときと、
じつはそこまで計算をしていたわけじゃないけれど、
そこに何かがある気がして、
結果として実現する場合がありますよね。
いわば宮本さんが言うところの
“デカの勘”みたいな。 - 手塚
- あ、だったら、後者ですね。
- 一同
- (笑)
- 岩田
- そもそも手塚さんにとっても、
『Newマリオ2』と『NewマリオU』の
2作の『マリオ』を同時につくるのは
はじめての体験でしたから。 - 手塚
- はい、そうですね。
- 岩田
- ピークもけっこう重なっていましたしね。
- 手塚
- でも、そこはうまくバランスをとりながら
対応するようにしていました。
Wii U版に重点を置いているときは
3DS版のほうは少しお休みして、
ある程度落ち着いたら、もう一方を見て、
みたいなことを繰り返していましたので、
ものすごく大変ではなかったです。
ただ、長丁場でしたね・・・。 - 足助
- やっぱり手塚さんがいちばん大変でしたよね。
- 岩本
- そう思います。
でも、そんな状況にありながらも、
手塚さんは疲れたような表情を一切せずに、
いつもニコニコと、楽しそうに
仕事をされていたんです。
そういうことも、ゲームの中身に乗り移って
お客さんに伝わりますから、大切なことですよね。 - 手塚
- あ、ほめられちゃいました(笑)。
- 岩本
- その姿を見て
「さすがだなー」と思いましたから。 - 手塚
- ふふふ(笑)。
- 岩田
- みなさん、本当に長い間、お疲れさまでした。
ありがとうございました。
- 一同
- ありがとうございました。