『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』
参与人员:
企画制作部第4プロダクションG 手嶋 宏介
企画制作部第4プロダクションG 益田 直生
来源:
https://www.nintendo.co.jp/interview/awuxa/index.html
1. ひっくり返したらどうかな?
2. アイドルグループ
3. 絶対に最後までつくってもらおう
4. プログラミングすることの楽しさ
2. アイドルグループ
- ——
- 先ほどからお話に出てきている「ノードン」について、
詳しく教えてください。
あのキャラクターたちはどうやって生まれてきたのですか? - 手嶋
- 企画の初期段階では、
とにかく「つくるのが楽しい」をキーワードにしていたので、
プログラミング画面でも楽しい雰囲気を出せないか、
デザイナーさんとずっと相談していました。
でも、うーん・・・
このままでは難しいなと感じていて・・・。
『Nintendo Labo』の「Toy-Con ガレージ」や、
本作の「ノードンガレージ」では、
「ノード」と呼ばれるいろいろな機能を
たくさん並べてゲームをつくることになるのですが、
雑談の中からその「ノード」を
アイドルグループみたいにしてみようか、
という話が出まして。 - ——
- アイドル、ですか?
- 手嶋
- はい。
いろいろな機能のある「ノード」を擬人化して、
アイドルグループみたいなユニットをつくって
オリジナルソングを出したらどうか?
という案が出たんです。
それぞれの役割をまとめて歌にしたら、
仕組みも頭でわかりますし・・・。 - ——
- なるほど。
確かに、役割や個性が違う人たちの集まり、
と思うとわかる気がしてきました。 - 手嶋
- 最初は企画が煮詰まったときの、
雑談の中で出た冗談でした(笑)。
アイドルグループは極端にせよ、
「ノード」はパッと見ただけでは
仕組みがわかりにくいものなので、
それがそれぞれの「ノード」の機能からくる性格、
キャラクター、顔をつけてあげることで、
うまく認識してもらえるかもしれない。
それで好きになってもらえれば、
覚えやすいかな・・・と思ったんです。
それで、「やっぱり擬人化したキャラクターがいいな・・・」
「それなら、覚えやすい名前も付けて・・・ノードンだ!」
となりました。 - ——
- 確かにその方がぐっと覚えやすくなりますね(笑)。
そのノードンたちはレッスンの中にどのように登場するのでしょうか? - 手嶋
- 動画レッスンに登場するノードンは、
レッスンに出てくるプログラミングの仕組みの中で、
それぞれ自分の機能を説明してくれます。
また、「動画ノードンガイド」という、
レッスンで出てきた仕組みや
ノードンの機能をより詳しく教えてくれる場所もあるので、
そこでも彼らのことを学ぶことができます。 - ——
- ちなみに、ノードンは何種類いるんでしょうか?
- 手嶋
- 80種類以上います!
すべてがナビつきレッスンに登場するわけではないのですが、
レッスンに登場しないものも
動画「リファレンス」という説明コーナーの中で
詳しい機能を確認することができます。
例えば、Joy-Conが振動する機能とか、
Joy-Conを振る動作がわかる※3とか、
Nintendo Switchならではの機能を持ったノードンもいるので、
そんなノードンたちを組み合わせることで、
いろいろなゲームをつくることができます。
Nintendo Switch Liteでも別売りのJoy-Conを無線接続して同様に機能させることが可能です。
- 益田
- ノードンの役割を理解して組み合わせれば、
それだけでいろいろなゲームをつくれますが、
ゲームをつくらなきゃいけないという固定観念に捉われずに、
たとえば単純に街の風景の中を歩くだけのプログラムとかを
つくってみてもいいと思います。 - ——
- ところで、先ほどから気になっていたんですが、
そこにあるカラフルなカードは何ですか?
- 益田
- これはパッケージ版についている
「ノードンふりかえりカード」です。
一枚一枚がそれぞれ一種類ずつのノードンになっていて、
表面がノードンの顔になっています。
裏面には機能説明と使い方のヒント、
登場したレッスンが載っています。
- ——
- ナビつきレッスンの後に、
このカードを使ってレッスン内容の振り返りができる、
ということですね。 - 益田
- はい。
ゲームを遊んでいない時に、
「そういえば今日はボタンノードンっていうのが出てきたな・・・」と、
ボタンノードンのカードを見て思い返したり、
裏面を見て、
「そうそう、ボタンを押したときに反応するやつだったな。」と
振り返ってもらえればと思っています。 - ——
- こういったプログラミングのソフトだと、
辞書のような取扱説明書が
ついてくることが多いと思うのですが、
あえて今回、カードにしたのはなぜですか? - 手嶋
- 単純に楽しいというのもあるのですが、
カードタイプだと、
こうやってバラバラにして
並べ替えたりもできるんです。
- 益田
- そうそう、
並び替えができるというのはポイントですね。
「このノードンと、あのノードンを組み合わせたら
何か面白いゲームができるかな。」と
想像してもらえるかな、と。 - 手嶋
- どのレッスンに出てきたノードンかというのも、
カードに掲載されているので、
これを見て「レッスン1で出てきたのはこれだな」と、
特定のレッスンに出てきたノードンだけを
取り出して並べることもできます。
「レッスンで出てきたリトライの仕組みはこれだ」、
とか「画面スクロールはこれだ」とか、
並べて組み合わせていろいろ考えることができる、
というのは便利かなと思います。 - ——
- これなら楽しく振り返れそうですね。
- 益田
- 振り返りに役立つのもそうですし、
特にカードの枠の下の部分にある
「使い方のヒント」というテキストは、
この通りに実際操作をして設定して
プログラムをつくると、何らかの動くものができます。
レッスンに出てきていないノードンは、
先ほどゲーム内の説明コーナーである「リファレンス」で
使い方を確認できると言ったんですけど、
カードを見ながらこの通りに設定してみると、
なんとなくこういう使い方ができるのか、
こういう動きになるのか、
というのがイメージしやすくなります。 - ——
- それぞれのカードに
ひとつずつ「使い方のヒント」が
書かれているってことですか? - 益田
- はい、全部のカードに、別々で。
「ナビつきレッスン」に出てくるノードンは、
できるだけレッスンと同じ内容で
機能説明を入れているので振り返りになりますし、
レッスンに出てこないノードンもいるので、
それは書き下ろしでつくっています。 - ——
- それは便利に使えそうですね。
- 手嶋
- また「ノードンふりかえりカード」だけを、
マイニンテンドーストアで購入できるので、
あとから買い足すこともできます。 - ——
- なるほど、それであればダウンロード版を購入された方も
「ノードンふりかえりカード」を入手できますね。
それで、いろんなノードンたちがいることはわかったのですが、
その中でも特徴的な機能を持つノードンがいれば
教えていただけますか? - 益田
- 特徴としては、
「画像テクスチャノードン」と「画像BGMノードン」は
わかりやすい機能のノードンだと思います。
動画「テクスチャノードン」は、
自分が描いた絵をゲームに表示して、
いろいろなモノの表面に貼りつけて動かすことができる
というものです。
動画「BGMノードン」は、
そのままですがBGMを流すものです。
メロディ、メイン伴奏、サブ伴奏、リズムという
四つのパートで好きなものを選んで、
それを組み合わせてBGMをアレンジすることができます。
自分なりにゲームに合う音楽を
選ぶことができるようにしています。 - 手嶋
- 個人的には、
「画像スタートしたしゅんかんノードン」が推しです。 - ——
- 「スタートしたしゅんかんノードン」?
随分と細かい機能のノードンがいるんですね。 - 手嶋
- そうなんです。
機能としては、ゲームが始まった瞬間にだけ
出力を行うというものなんですが、
まさに勢いだけの奴で、
ビジュアル含めてそういう雰囲気が出ていて
可愛いんです(笑)。
それから、「>画像タイマーノードン」かな。
その名の通り、指定した時間に出力をするというものです。
性格としても、細かくて口うるさいところがあるんですが、
その分、人間味があって好きです。 - 益田
- 私の推しは「<画像スポイトノードン」ですね。
こいつは「マーカー」というものが
スポイトの場所に表示されているかどうかが、
わかるノードンで・・・。
上級者向けですが、
「画像カウンターノードン」「画像マーカー表示ノードン」
そして「画像音を鳴らすノードン」といったものたちと
組み合わせることで、
自分のオリジナル音楽をつくるなんてこともできます。
ニッチな奴ですが、
キャラクターとしても好きだし、
機能的にも使いこなすと
「工夫次第でこんなこともできるのか」と、
ノードンガレージの知られざる可能性を見つけることができます。
使いだすとクセになる感じがあるのが良くて・・・
ちょっと大人のノードンです(笑)。 - ——
- 手嶋さんはキャラクターの可愛さ推し、
益田さんは機能面の奥深さ推し、
ですね。 - 手嶋
- ノードンたちは説明をしてくれるだけでなく、
つないだ時にいろんな反応をしてくれますし、
その性格や表情もさまざまなので、そこを楽しんでいただければ。 - 益田
- ぜひみなさんも、
自分の「推しノードン」を探してみてください。