『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』
参与人员:
企画制作部第4プロダクションG 手嶋 宏介
企画制作部第4プロダクションG 益田 直生
来源:
https://www.nintendo.co.jp/interview/awuxa/index.html
1. ひっくり返したらどうかな?
2. アイドルグループ
3. 絶対に最後までつくってもらおう
4. プログラミングすることの楽しさ
4. プログラミングすることの楽しさ
- ——
- 「ナビつきレッスン」で
最後までゲームを完成することができたとしたら、
次は何をすべきでしょう? - 益田
- 次の段階として、
「フリープログラミング」を用意しています。
もちろんいきなり、自分で一から
ゲームをつくりたいというのもいいんですけど、
まずは「ナビつきレッスン」でつくった
動画ゲームをコピーして、アレンジするところから
始めるのがおすすめです。
レッスンでつくったゲームも、
自分のつくったゲームとして
フリープログラミングモードに保存されているので、
それを使って新しいゲームをつくってみると良いと思います。 - 手嶋
- レッスンに出てきた、
このノードンとあのノードンを組み合わせれば、
どんな動きになるだろうか?と、
まずは実験的に遊んでみるのもいいと思います。
わからなくなったら、
いつでもレッスンやノードンガイドに戻ればいいですし、
説明コーナーの「リファレンス」や「ノードンふりかえりカード」で
機能を確認することもできますから。 - ——
- なるほど。
いきなりすごいものをゼロからつくろうとするよりも、
まずはアレンジから少しずつ始めてみるのが良い、
ということですね。
・・・ただ、だんだんアレンジになれてくると、
どこまで発展的なものがつくれるのかが気になります。
それこそ、市販されている
本格的なゲームのようなものもつくれるのかな?
といったお客さまの反応もありましたが。 - 益田
- Nintendo Switchのソフトとして販売している
ゲームと同じレベルのものをつくれる、
というわけにはいかないと思います。
フリープログラミングではノードン512体まで、
ノードンを繋ぐワイヤーが1024本まで
という制限もありますし・・・。
ただ、お気に入りのゲームの一部分を取り出して
同じような仕組みをつくってみる、
とかなら可能だと思います。
例えば、ゼルダ※4のしかけの1つを再現してみるとか・・・。
むしろ、この制限の中で
いかにやりくりできるかを考えることを
楽しんでいただければ。
『ゼルダの伝説』。1986年に1作目が発売された謎解きをしながら冒険を進めていくアクションアドベンチャーゲーム。
- ——
- 制限がある中で、
自分の好きなゲームが再現できるのか?と考えるのも、
それはそれでパズルのようで楽しいかもしれませんね。 - 手嶋
- どこまでフリープログラミングで
発展的なことができるか、についてですが、
このソフトは物理演算※5が最初から入っているので、
ジャンプしたり、モノを壊したりするような
アクションゲームをつくるのは得意です。
映像グラフィック表現において、現実世界の物理法則に従ってモノが動くようにするための演算。物理演算によって、モノが転がる、ブロックを壊す、風に吹かれるといった動作がリアルに表現できる。
- ——
- なるほど。
複雑な演算の部分は自分でつくらなくていいのですね。 - 益田
- 逆に、たくさんのテキストを
一つのゲームの中に置くことはできないので、
RPG※6やテキストアドベンチャー※7をつくるのは苦手かな、
と思っています。
Role Playing Game(ロールプレイングゲーム)の略。ストーリーの中でプレイヤーが自分を投影するキャラクターを操作し、冒険を通して成長を経験するゲームのジャンル。
イラストや音楽を交えて語られる文章を中心に、プレイヤーの選択に合わせて変化する物語を読み進めていくタイプのゲームのジャンル。
- 手嶋
- ・・・いやいや、
もしかしたらそこをいろんなノードンを組み合わせて
突破してくる方がいらっしゃるかもしれない(笑)。
- 益田
- 確かに、Toy-Con ガレージVRの時もお客さまがつくられたもので、
開発者側が驚くようなことは、たくさんありましたね。
こんなものがつくれたんだ・・・みたいな(笑)。 - ——
- 制限はあったとしても、
工夫してそれを突破してくれる方がきっと出てこられるでしょうね。 - 益田
- 開発チームが驚くようなゲームが生まれてくることを、
楽しみにしています。 - ——
- ところで、自分で何かをつくったら、
つくったものを見てもらいたい、
という気持ちになると思うんですけど、
どういう形でほかの人に見せることができるのでしょうか? - 手嶋
- つくったものは、
インターネットまたはローカル通信で共有することができます。
インターネットを使う場合※8は、
動画任天堂のサーバーにアップロードすると、
一つひとつにゲームIDというものがつけられますので、
そのIDを相手に渡して入力してもらえば、
そのゲームがダウンロードできるという仕組みです。
インターネットによる通信を行うには、別途「Nintendo Switch Online」への加入が必要となります(有料)。
- ——
- ダウンロードしたゲームのプログラムが
どうやって組まれているかというのも、
見られるようになっているのでしょうか? - 手嶋
- もちろんです。
そこは大事にしているポイントです。 - 益田
- 魅力的なゲームをつくってくれる方々が
たくさん現れると思うので、
それをダウンロードして遊ぶだけでも十分楽しめると思うのですが、
単に遊ぶだけではなく、
ぜひその仕組みがどうなっているのかを見て、
真似してほしいと思います。 - ——
- 同じプログラムを、
みんなで少しずつ改善していく、
みたいなこともできるのでしょうか? - 益田
- 動画ダウンロードしたものも、
レッスンと同じようにコピーしてアレンジできるので、
そこへノードンを付け足したり、
同じゲームでもノードンを減らしたりして
効率的に組み上げるようなことも
できるかもしれません。 - ——
- 複雑なプログラムを
シンプルにできるか挑戦することも
学びになるということですね。 - 益田
- いろいろな可能性は広がるのですが、
『はじめてゲームプログラミング』でつくるゲームは、
商品として売っているゲームと
肩を並べることが目的ではないですし
「ゲームはこうあるべき」という枠にとらわれずに、
何でも自由につくることを楽しんでほしいと思います。 - 手嶋
- そうですね。
インターネットには本当にいろいろなものが上がってくると思います。
でも、ルールとアクションがなければゲームではない、
などとは思っていません。 - 益田
- 例えば、
好きな花の絵をたくさん描いてお花畑をつくってもいいし、
そこにUFOを飛ばすようなアニメーションをつけて楽しむ、
みたいなことだけでも十分素敵だと思います。
もちろん、自分でつくったものを他人に見せて、
感想を聞いて、もっと面白いゲームにしてやろう!
というモチベーションを得ることも大事だと思いますが、
それよりも自分自身の手を動かすことで得られる
自分なりの発明や発見を楽しんでほしいですね。 - ——
- みなさんにとっての思い思いのゲームを完成させてほしい、
ということでしょうか? - 手嶋
- はい、つくった人がゲームだと思えば、
なんでもゲームです!
自分なりのゲームを、そして自分なりの発見を、
みなさんに楽しんでいただければと思います。 - ——
- なるほど、
気軽に思ったものをつくればいいということがわかりました。
どんなゲームがインターネットに上がってくるか、
今から楽しみです。
- 手嶋
- 多くのプログラミングソフトは最終的に
「どんな楽しいものがつくれるのか」という、
仕上がりにスポットを当てているように思います。
ですが、このソフトの企画を検討する時、
プログラミングの途中で感じる試行錯誤や発見の楽しさ、
完成させること自体の楽しさもあるんじゃないか、
プログラミングすること自体が楽しいのが
いいんじゃないかという風に考えました。
ですので、『はじめてゲームプログラミング』は
「プログラミングすることの楽しさ」に着目して、
そこを楽しくサポートしたいと思っています。 - ——
- だから、「ナビつき!」になったのですね。
それでは最後にお二人から、
どういった方にプレイしていただきたいかなど
コメントがあれば・・・。 - 益田
- まったくプログラミングを知らない方、
プログラミングという言葉は知っていても
何をするのかわからない方、
お子さんのプログラミング教育を検討している方・・・
そんな方々にもぜひ、
一度手に取っていただきたいと思っています。
『はじめてゲームプログラミング』を触って
楽しく遊びながらゲームをつくってみるだけで、
プログラミングというものが
自然と理解できていくと思います。 - 手嶋
- プログラミングと聞いて、
「何から始めたらいいのかわからない」、
「なんとなく腰が重い」という方は多いと思います。
そういった方々のために、
最後までゲームを完成させられる
「ナビつきレッスン」を用意しています。
そして、『はじめてゲームプログラミング』という
タイトルにもある通り、
初めてプログラミングに触れる場として
プログラミングを始められる
きっかけになるといいなと思っています。 - ——
- ありがとうございました。